足りない自分を受け入れて、力を付けるチャンスを探す
北森さんは、社会人経験が浅く「この仕事をしておけば、のちのち評価が高くなる」などの目星なんてつけられなかったけれど、とにかくいまいる場所でチャンスをつかめるようにと行動を変えた。同じ給料しかもらえないのに、大変な思いをするのは嫌だとみんなが避けていた仕事にまずは目をつけ、「あいつになら任せても大丈夫だろう」と思ってもうことを最初の目標にした。しばらくすると「人手が足りないんだけど、この仕事やってみない?」と声がかかり、二つ返事で引き受けた。
やってみたら、やっぱり大変だった。「でもここで、いいですよと引き受けないと遅れていくだけ」と奮起した。すると、今が大変になった分、「以前やっていた仕事ってなんて楽だったんだろう」と思えるようになった。仕事のキャパシティが広がったのだ。
「まずはチャンスを与えられるようにする。そして与えられたチャンスは必ずつかむ。このサイクルを1、2年回していれば、必ず次のステージへの切符を手にすることができるはずだ」と確信した。
監査法人で働く北森さんも、「このプロジェクトやってみないか」と声のかかった仕事をチャンスと感じて、前向きに取り組んだ。1年後に新しく取り組んだ経験、得た知識をキャリアシートに書き加えたら、人材バンクから驚くほど多くのスカウトの声がかかるように。確実に、「会社を選べる側」に回ったのだ。
転職活動のうまくいかない体験を、悲観したり、すねたり、諦めたりと後向きにとらえても決して前には進めない。いまの足りない自分を受け入れて、目的にたどり着くために何が必要かを考え、身に付けるチャンスを積極的に取りにいったら、日々精進。すると、半年後、1年後、2年後には一回り大きな自分になっている。
やりたい仕事をつかめても、つかめなくても、そこから何かを学べたなら、その転職活動は意義ある体験となるはずだ。
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