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キャリレボ
自分のキャリアで迷ったり、煮詰まったり、悩んだりと壁にぶつかっているなと感じたときは、もしかしたら自分の判断基準や価値観を、一度、疑ってみることが必要かもしれない。壁を乗り越えるとは、それまでの自分を乗り越えるということだから。日々の小さな自分レボリューションで明日をつくろう

背伸びのススメ
 目の前の与えられた仕事を、できるだけ好きになろうとしながらやってきたという宮島春美さん(仮名・26歳)は、今、ちょっぴり悩んでいる。

 「他の人が担当している仕事で、『私だったら、もっとうまくできるかもしれないのに』と思っていることがあるんです。手を挙げてみようかなと思うこともあるけれど、『これをやれ』といわれた仕事もしっかりできるようにならなくちゃいけない。そうすると、『私だったら、こういうふうにやるのに』の方に、手が回らない。私は器用じゃないから、いわれた仕事をコツコツこなしていく方が合っているのかな」。

 目の前の仕事に一生懸命取り組むことは、とても大切だ。しかし、まだ若いのに「人からいわれたことを、コツコツこなしていく方が向いている」と決めてかかるのは、ちょっともったいない。

この会社でしか通用しない便利屋にならないために

 20代〜30代は、トライ&エラーを繰り返しながら、自分のできることをどんどん増やしていく時期だ。同時に、仕事を抱えられるキャパシティも、広げていく時期なのだ。「今、与えられている仕事で一杯だ」と思って、それ以上手を出さないようにしてしまうと、その人の仕事容量は増えていかない。一方で、「先月は、ここまでで精一杯だった。でも、今月はもうちょっと負荷を掛けてみよう」と、ちょっと背伸びをすると、その分伸びるのだ。

 「できること」も、同じ論理だ。やったことのない仕事を任せてもらうように意識していくことで、できることは増えていく。

 人材の流動化が進んだ今、以前に比べると、企業が人を育てようとしなくなったといわれている。どの職場も、万年人手不足の中、多くの仕事を回しているのが実情だ。仕事量が多いと感じているかもしれない。でも、「これをやってみたい」「やらせてほしい」と自分から手を挙げて、できることを増やし、キャパシティを広げていかないと、「この会社でしか通用しない便利屋」になってしまう可能性もある。

 「やらされている」のではなく「自分の力を伸ばすために、やっている」と思えば、多少、仕事の量が増えてもさほど苦にならないものだ。もし、「いわれてみれば、自分の限界を、自分で決めちゃっているかもしれない」と思うなら、明日からちょっと背伸びをしてみてほしい。3年後、5年後に、背伸びした分、あなたは確実に伸びているだろう。


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次回は2月28日配信予定
文/中村 陽子(編集部)
デザイン/東 聖子(編集部)

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