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TOP の中の転職研究室 の中の行列のできる職務経歴書相談所 の中の海外勤務が長い場合の書き方がわからない/営業事務経験後、渡仏。仏国の2社で15年接客、商品管理、スタッフ教育を担当/47歳/女性

 
 

「どうやって書けばいいのか
分からない」
「書類選考で落とされる理由がわからない」——。

職務経歴書で悩んでいる人、大集合!

職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・

第24回のお悩み 海外勤務が長い場合の書き方がわからない 47歳女性編
今回の相談者   今回の所長
相談者飯田香子さん(仮名)

47歳女性。大学卒業後、国内のアクセサリーメーカーに入社。営業事務として2年半勤務したのち、フランスでウインドウディスプレイを学ぶため渡仏。2年の留学期間を経たのち、フランスの服飾メーカーに入社。以降2社で15年間、接客、商品管理、スタッフ教育に携わる。2007年帰国し、日本での転職を希望しているが、日系企業へアピールできる職務経歴書の書き方がわからずお悩み中。

 
所長K.Tさん

キャリア・コンサルタント。個人を対象にしたキャリア形成および転職支援コンサルティングのほか、 企業向けの人材育成コンサルティングで多数の実績を有している。また、現場においてもキャリア気付き研修のファシリテーターや能力開発トレーナーとして活躍。
●産業カウンセラー
●NPO法人日本キャリアカウンセリング研究会会員

     
 
プロフィール
お悩みポイント
その1   日本企業にウケる職務経歴書の書き方が分からない
その2   これまでの経歴の効果的なアピールの仕方が分からない
その3   40代後半という年齢が不安
before 飯田さんの職務経歴書
before 飯田さんの職務経歴書
 ↑クリックで拡大します
 
 
NGポイント 
NG1
  • ぱっと見、どこに何が書いてあるか分かりにくい。これまで何をやってきたのか、何ができるのか、どこがアピールポイントなのか分からない
  • 長い年月の間に複数の会社で複数の職務を経験してきた場合は、略歴は必ず書く
NG2  
  • これまで具体的にどういう職務を経験してきたのか、どういう成果を挙げてきたのかが分からない
NG3  
  • エピソードがあるのはいいが、もっと読み手が具体的にイメージしできるように書きたい。飯田さんなりに工夫したこと、大事にしてきたことが具体的にほしい
NG4  
  • フランス語は最大の武器なので、自己PRに入れてアピールする
NG5  
  • 飯田さんならではの強みを3点ほど挙げて簡潔に分かりやすく書く
NG6  
  • 志望動機は必ず書く
 
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書はこちら
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書
・職歴を業務領域と職務領域に分けて表組みにすることで、「どんなことをどのくらいの期間経験してきたか」がひと目で分かりやすくなった ・これまでの経歴を略歴としてまとめることで、大まかなキャリアの歩みが分かる
・経験職務内容を箇条書きにすることで、どんな仕事を経験してきたのかが分かりやすくなった ・主な成果で「何ができるのか」が分かりやくアピールできている
・経験職務内容を箇条書きにすることで、どんな仕事を経験してきたのかが分かりやすくなった ・主な成果で「何ができるのか」が分かりやくアピールできている
箇条書きにすることで、効果的に強みをアピールできてGood!
志望動機は熱意を伝えることを念頭に置き、応募会社によって書き分けよう
K.T所長 K.T所長 飯田さん

飯田さん

 
何を軸にして自分を打ち出すか決めよう
飯田さん

現在、これまでのキャリアを生かせる仕事を探しているんですが、書類を作るにも手間取っているという状況です。先日までフランスに18年在住していたので、日本の企業や転職事情にうとく、手がかりがつかめないんです。

K.T所長

なるほど。何に一番困っていますか?

飯田さん

やはり帰国して日が浅いので、まだ情報が少なく、得意なフランス語を生かせる仕事が見つからないことです。フランスでアパレルの販売を中心に経験を積んできましたから、できれば同じジャンルで見つけたいです。フランス語も日本語と同じレベルで使えるので、それが生かせる職場を見つけたいのですが……。

K.T所長

飯田さんの場合はフランスで長くアパレルやアクセサリーを扱ってこられた経験があります。それに加えフランスに約20年暮らしてきたことで、国柄や文化、仕事以外の人脈など、なかなか他の日本人がもっていない武器をたくさんもっています。よって、それほどたくさんのニーズがあるとはいえないかもしれませんが、飯田さんのような人材を欲している企業から見ると、ものすごく市場価値は高いわけです。だからすぐには見つからなくても焦らずに匿名スカウトを待つか、求人検索をし続けていればきっとチャンスはつかめると思います。

飯田さん

なるほど。では具体的にどういうふうに職務経歴書を書けばいいのでしょうか? 長い間日本にいなかったので書き方がよくわからなくて……。

K.T所長

海外でも日本でも職務経歴書の基本的な書き方は同じです。「これまでこんな経験をしてきて、こんな能力があるから、その会社にこんなメリットを与えることができます」ということを具体的に分かりやすく書けばいいのです。

飯田さん

なるほど〜。

ポイントを絞って分かりやすく整理しよう
K.T所長

そこで改めて飯田さんが書いたものを見ると、いくつかの点が気になります。まず第三者的がこの職務経歴書をぱっと見たときに、飯田さんが何をやってこられたのかすぐには分からない。これはただ時系列でだらだらと書いていることが原因ですね。各会社での職務内容が散漫に書かれているため、飯田さんの強みが分かりにくい。

飯田さん

具体的にどう改善すればいいでしょう?

K.T所長

まずはこれまでのキャリアを時系列ではなく、業務領域職務内容に分けて書きましょう。こうすることで、これまでどんな仕事を何年間経験してきて、何を身につけたかがひと目でわかるようになります。特に職務内容は詳しく分かりやすく書きましょう。例えば業務領域が「店舗運営」なら、「売上管理」「スタッフ管理」「売り場アレンジ」という項目を設けて簡潔に「何をやってきたか」を説明する。さらにその後に、「主な成果」としてどんな工夫をしてどんな貢献をしたかを加えると効果的です。

飯田さん

時系列での職務経歴はあまり重要ではないんですね。

K.T所長

それは履歴書の方を見ればわかりますし、略歴として数行で職務経歴の始めに書いておけばOKです。経験や年齢を積んでいれば積んでいるほど「何を何年やってきて、何ができるか」ということを分かりやすく書くことが大切ですから。さらに、業務領域と職務内容は次に就きたい業務・職務を最初に記載した方がいいですね。

飯田さん

これまでのお話で、やっぱりフランスでの経験を生かせるフランス系のアパレルを扱う外資系か日系企業で店舗運営やマネジメントの仕事を狙いたいと思いました。

自分ならではの“スペシャル”をキチッと書く
K.T所長

では、店舗運営・マネジメントを最初に記載しましょう。ポジションとしてはどんな感じでしたか?

飯田さん

ディレクターの下について業務を行っていました。

K.T所長

日本でいう副店長ですね。仕事ですから成果を書くことが大事です。もう若手ではないので、将来に関して可能性を見てもらえることは少ない。これまでの実績即戦力として何ができるか、ということでしか見てもらえません。マネージャーとしての実績とか、何かひとつの能力を訴えることが重要です。飯田さんが仕事の中で工夫されてきた事例はありませんか?  例えばこんな工夫や努力をして売上が上がった、とか。

飯田さん

販売スタッフの動きをよく観察しながら、躊躇しているときなどは自然なサポートを心がけました。

K.T所長

それは大事なことです。常にサブマネージャーとして主体的に行ってきたことなのでハッキリ書きましょう。 ここで肝心なのは“飯田さんならではの”というオリジナルの部分ですので。

自己PRではヒューマンスキルもアピール
K.T所長

また、志望動機は必ず書きましょう。

飯田さん

でも書き方がよくわからないのですが……。

K.T所長

例えば、「15年以上フランスで働いてきて、こういう仕事をしてきた。事情により帰国したけど、仕事は続けていく。今後の新たなステップとして色々と模索する中で、自分の経験を生かせる御社が最もフィットした」、といったことを軸としてはいかがでしょうか。特に飯田さんは普通の日本人がしていない経験をしているわけだから。なによりオンリー・ワン的なイメージは大切です。後は応募する会社をよく研究し、「なぜその会社のその仕事なのか」という点を熱くアピールしましょう。

飯田さん

自己PRの要領も聞きたいのですが。

K.T所長

箇条書きで書くのが分かりやすくていいでしょう。だらだらと書かずに、簡潔に3〜4つくらいでまとめてみてください。また、これまでの仕事上のスキルや能力だけでなく、海外勤務で身につけた国際性や柔軟性、対応力のようなヒューマンスキルもアピールしてください。企業はここもかなり重要視しますから。

飯田さん

“日本的”とか“定型”にこだわったせいで混乱してたんですね。 よくわかりました。気をつけて書き直してみます。ありがとうございました。

今回のポイント
 
その1   まず今後携わりたい業種・職種を明確にしよう
その2   自分ならではのスキル・経験を分かりやすく書こう
その3   自己PRではヒューマンスキルもアピールしよう
   
OK総評

海外での勤務経験が長い場合、職務経歴書の書き方に戸惑いがあるかもしれませんが、基本的に違いはありません。職務としてやってきたこと、身につけたスキルと知識、そして貢献できる強みを明確にすることが重要です。その上で、コミュニケーション力としての語学力や異文化に対する適応力、柔軟性などを、事例を元にアピールするとオリジナリティが出て価値の高い職務経歴書になります。

 
眼からウロコの感想

日本を長く離れてフランスで暮らしていたため、日本語での職務経歴書をどのように書いたらよいのか分からず、大変迷っていました。しかし、このたびアドバイスをいただいたおかけで、誰にもできない経験を積んできた「独自性」を前面に打ち出し、業務・職務ごとに簡潔にまとめることで、職務経歴書が説得力のあるものにまとまりました。大変参考になりました。ありがとうございました。


TOP の中の転職研究室 の中の行列のできる職務経歴書相談所 の中の海外勤務が長い場合の書き方がわからない/営業事務経験後、渡仏。仏国の2社で15年接客、商品管理、スタッフ教育を担当/47歳/女性