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8.退職手続き
転職と税金
退職時に忘れてはいけない税金あれこれ。「失業中だから、収入がないし」など関係なく、税金支払いの義務が発生することを覚えておこう

イラスト 退職金にかかる税金
   
 退職所得については、受け取った段階で他の所得(給与等)とは別に税額が計算されます(分離課税)。その税金は退職金の支払時に天引きされます。手続きは退職時に申告書を提出することにより完了します。

 退職により退職金を取得した場合、退職所得に対しては所得税と住民税が課税されます。手続きは、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支給者を経由して税務署長に提出するだけです。これにより所得税額と住民税額が計算され、退職給与から天引きされて納付されます。

 退職所得に対する税額は次の式で計算されます。
税額=退職所得金額×税率
退職所得金額=(支給額ー退職所得控除額)/2
退職所得控除額:
勤続年数が20年以下
勤続年数×40万円(80万円未満の場合は80万円)
勤続年数が20年をこえる場合
800万円+70万円×(勤続年数−20年)
(20年をこえる年数については、1年につき70万円控除)

例:28年間勤務した会社を退職し、1600万円の退職金を取得した場合
退職所得控除額=800万円+70万円×(28年−20年)
       =1360万円
退職所得金額=(1600万円−1360万円)/2
       =120万円
税額=120万円×税率(実際には早見表で計算する)

(参考)
退職所得に係る道府県民税の特別徴集税額(抜粋)
退職所得控除額控除後の退職手当等の金額(上記の2で割る前の金額)
2,376,000円以上 2,392,000円未満 ・・・ 21,300円
2,392,000円以上 2,408,000円未満 ・・・ 21,500円
2,408,000円以上 2,424,000円未満 ・・・ 21,600円

 めったにないとは思いますが、同一年に複数の会社から退職金を支給された場合には、それぞれの退職金を合算して退職所得の税額が計算されます。したがって、その年の早い時期の退職で徴集された税額は、最後の退職の時に精算する必要があります。


イラスト 退職後も納めなくてはいけない住民税
   
 毎月の給与からは2種類の税金が天引きされています。

所得税・・・ 源泉徴収(前払い)を年末に精算。転職時には、転職先で年末調整。
住民税・・・ 特別徴収(確定税額の後払い)の未払を納付する必要あり。転職時には、転職先で特別徴収継続可能。


 このうち退職後、給与の支払いを受けなくなっても収めなければならないものが、住民税です。所得税は毎月給与から天引き(源泉徴収)される――つまり前払いしているのに対し、住民税は前年の所得に対する税金――前年分を後払いしていることになっています。(図1)。



 そのため退職により給与の支給を受けなくなった場合は、所得税は徴収されなくなるだけで済みますが、住民税は既に納付義務が確定しているものなので、何らかの方法で納付する必要があります(図2・3)。例えば9月に退職した場合、10月から翌年5月にかけての分を収めなくてはならないわけです。

 退職時点で次の就職先が決まっている場合は、本人の申請により新しい就職先で住民税を天引きしてもらうこともできますが、退職時に次の就職先が決まっていない場合は自分で納付することが必要になります。その場合、住民税では通常1年分の税額を4回に分割して納付します(6月、8月、11月、1月)。


イラスト 年末までに就職しなかったときは確定申告を
   
 サラリーマンは通常、勤務先で年末調整を行い、その年にすでに源泉徴収した税額とその年の給与所得について課されるべき税額とに過不足がある場合に、その過不足の調整しています。しかし年の途中に退職して年末まで就職しなかった場合は、年末調整を勤務先で行ってもらうことができません。そのため確定申告をする必要があります。ほとんどの場合、収めすぎた税金が戻ってきます。退職後、国民年金や健康保険に自分で加入していた場合は、申告すると全額控除の対象となりますのでしっかり申告してください。

 通常確定申告は、2月〜3月中旬(平成17年は、2月16日から同年3月15日)までですが、収めすぎた税金を還付してもらう「還付申告」は1月上旬から可能です。

 前の勤務先から退職時に渡された源泉徴収票は確定申告に必要なので、なくさないようにしてください。年末までに転職した場合は、源泉徴収票を新しい勤務先に提出してください。合計することで年税額が確定します。
1999.12.10 update
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