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転職知っ得情報局 キャリアコンサルタントからのアドバイス

2.転職市場動向
第二新卒の転職事情 2006年上半期
景気回復の波にのって、第二新卒のニーズは急激に高まっているといわれている。しかし、キャリアの浅い第二新卒を企業は本当に歓迎しているのだろうか。また、一度は決めた職場を捨てて、新たな活路を見出した先に、本当に満足のいく結果があるのだろうか。転職事情に詳しい人材バンクのコンサルタントに、第二新卒の"今"を忌憚(きたん)なく語ってもらった。

イラスト
第二新卒とは何歳までを指す?

 
───まずは基本的なことを確認しておきたいのですが、そもそも第二新卒とは何
歳くらいの人を指すのでしょうか?
岩下

 この言葉の定義そのものは曖昧で、年齢やキャリア年数による厳密な分け方はないようです。一般的に、1つの職種で「キャリア」と認められる就職経験は、3年以上が目安となっており、第二新卒はそれに満たない人ということになりますが、この捉え方は、企業によっても、メディアによっても微妙に違っているようです。
また、海外留学や大学院進学などで、一般的な「3月に学校卒業、4月に入社」というパターンを踏まない方たちも最近は増え、この方々も第二新卒として扱われることが多いようです。少々乱暴な言い方をすれば、新卒以外の20代、27〜28歳くらいの求職者をすべてひっくるめて第二新卒といってよいのではないでしょうか。

露木

 採用する企業から見た場合、第二新卒の定義としては、2つのタイプが考えられているようです。ひとつは、キャリアと認めるには経験が浅いが、社会人としての基本的なビジネスマナーなどは備えていると見なされるタイプ。このタイプはポテンシャル採用になるので、その人の経験は選考段階で評価はされるものの、選考基準は新卒採用とほぼ同等といってもいいでしょう。もうひとつは、給料、入社日、入社時の等級など新卒と同等に扱われるタイプ。入社してから配属が決まるという、新卒とまったく変わらないケースも多いようですね。



イラスト
景気回復の波を受け、若手はひっぱりだこ

 
───第二新卒の求人は高まっているのでしょうか。
岩下  特にこの1年ほどは、業界・業種問わずかなり高まっています。
露木  確かにニーズは高いですね。バブル期に匹敵する採用熱といってもよいのではないでしょうか。ジャンルに関係なく、あらゆる分野で若い力が求められていると思います。
───なぜそれほど第二新卒に人気が集まるのでしょう?
露木  まず申し上げておきたいのは、第二新卒に人気が集まっているのではなくて、第二新卒を含めた若手を望む企業が増えているということです。これまで企業は景気低迷期にあり、若手の採用をずっと控えてきました。それが景気回復にともなって、企業に余裕が出てきた。さらに拡大するためには、労働力として若く、体力があってバリバリ働ける人が必要になります。そこで若手のニーズが急速に高まっているのです。その点からいえば、企業はまず新卒の採用を優先します。しかし、少子化ということもあり、それだけではまかないきれず、第二新卒にも積極的に手を伸ばしているということが考えられます。
岩下  いびつになってしまっている企業の年齢構成を是正する動きも見逃せません。バブル崩壊から10年ほど採用を控えていたため、若い世代が会社の中にいない。それを今、急速に補充しようとしているのです。いわゆる「2007年問題」として取りざたされるように、団塊の世代の大量退職を迎え、業務拡大に際して、ポテンシャルが高く、マインド面も含めて会社を活性化する若いパワーをどんどん導入したいという流れも見えています。

 逆に第二新卒とよばれる求職者も増えています。



イラスト
終身雇用制の崩壊で就職パターンは多様化

 
───では、第二新卒としての求職者が増えている背景、転職を考える人が増えて
いる理由はどんなものがあるのでしょうか。
岩下

 ひとつには終身雇用制が崩壊して、企業に定期採用を廃止する動きがあることでしょう。先に申し上げたように、海外留学や大学院進学など、現在、若い人たちには、多様なキャリア形成のルートがあります。企業も、今はポテンシャルの高い人ならいつでも歓迎するというムードがありますので、求職する側も、それに応じたキャリアプランを立てることができるというわけです。

 また新規採用では、基本的に職種を選ぶのは難しい場合が多く、たとえば、元々法務をやりたいと思っていた人が人事に配属されたものの、やはり法務やりたくて転職するというケースは当然あります。しかし、年齢を重ねれば、キャリアチェンジはそれだけ難しくなる。そこで、入社1〜3年で転職の可能性を検討するという考え方が、今では当たり前という風潮になり、企業側もそれに理解を示してきているようです。

露木

 かつて就職氷河期といわれていた頃は、内定をもらうことに必死で、それこそ業種や職種など深く考える余裕がなかった。で入社後2〜3年経った今、やり直したいと考えている人も多いようですね。企業としても、この年代の人たちは、採用数が少なかったために就職できなかったのであり、個人の持っているポテンシャルや意欲が低いものではないことを知っていますから、積極的に採用したいと考えているわけです。

岩下

 さらにいえば、弊社にいらっしゃる方の中には、よい条件があれば転職をと、相談程度の気持ちでいらっしゃる人も増えていますね。転職を特別なものと考えるのではなく、自分の人生をよりよくするための手段のひとつに過ぎないという考えが、特に若い層を中心に一般化しているということではないでしょうか。

イラスト
すべての業種でニーズが急増

 
───今、特にニーズが高まっている業界・業種は?
露木

 あらゆる業界・業種で高まっていますが、特にIT業界は、最近新しく立ち上げた企業も多く、エンジニアから営業まで、いろいろな職種で人材が不足している状態です。そのほか、金融もこれまで採用を控えていた分の補充ということもあり、熱い分野だといえるでしょう。商社などでも、総合商社は、業界の特徴として習慣的に新卒を採用するのが基本ですが、中小になると、やはり第二新卒の募集も多いですね。これらは、みな若手の力が足りていないということで、新卒・第二新卒といった枠を超えた需要があるということですが。

岩下

 IT企業などは、若い人の感性や技能を特に欲している分野なので、第二新卒を求める企業は多くなっています。また、携帯電話などのモバイル関係など、これから発展が見込まれる分野への参入を画策している企業は多いはず。そこでも若い第二新卒は、力を発揮することを期待されていますね。メーカーなどでも、団塊の世代の退職者が今後たくさん出るため、その補充も踏まえ、ボトムアップを図りたいと考えているようです。

───職種としては、どの辺に人気がありますか。
岩下

 受注が上がり、業務が拡大していけば、あらゆる部署に人材が必要になりますが、第二新卒はある程度のビジネスマナーなどは備わっているので、営業や事務などでは、新卒に比べて即戦力としても重宝がられるようです。事務職も、景気が悪い時は忙しいシーズンだけ嘱託を使うといったことをしていましたが、現在は正社員として採用し、ずっと働いてもらうようにしているようです。

露木

 業績に直接結びつかない管理部門なども、これまでは増員を控えていた企業が、将来の幹部候補として、優秀な若手を採用するという動きが起こっているようですね。

 ところで第二新卒の場合、ある程度経験があるということで、新卒よりも職種を選べるという点では大きなメリットになっているかもしれません。新卒は、「自動車業界に行きたい」とか「化粧品会社に入りたい」など、業種で選ぼうとしますが、第二新卒は、むしろ職種で考えることが多いようで、その点は、企業側も採用の判断がしやすいということになるでしょう。

イラスト
今後一年はピークが続く

 
───今後の第二新卒求人の見通しは?
岩下

 今年の後半はさらにニーズは高まると思いますね。というのは、上半期の段階で、企業の新卒採用が間に合っていないのです。新卒をほしがっている企業が残っている中で、来年の新卒採用の準備もしなければならないというのが現状。そうなると、第二新卒など中途採用の方々にもどんどん白羽の矢が当たると思います。この状況からすると、まだまだ今後1年くらいは活気を呈しているでしょう。

 業界でいえば、やはりIT。特に携帯電話などのインターネットに接続できるモバイル通信機器は、ネット広告でもコンテンツでも、急激な広がりを見せる気配がありますね。通信を舞台にしたビジネスは、大きな市場になる可能性が高いし、それを築くのは、コンテンツの開発技術者から広告営業まで、さまざまな職種の人が参入する余地があるということで、動きは活発だろうと思われます。

露木

 来るべき2007年問題も含めて、ここしばらくは、第二新卒は売り手市場でしょう。ただし、業種によってはいつまでも無限に発展していくものではありませんから、よく見きわめる必要があるかもしれません。IT業界については、まだしばらく人材不足が続くと思われます。業界として広がりつつあるのに対して、IT業界で働きたいという人が、需要に比べて少ないので。

 また、現在活気を見せている金融業界も、ある程度補充ができた時点で採用は減速していくはずで、今の勢いから考えると1、2年後、厳しく見積もれば来年当たりは、また状況が変わってくるかもしれません。

イラスト
退職理由・志望動機は明確に

 
───では、最後に第二新卒の方の転職にアドバイスを。
岩下

 企業が第二新卒の人を見る場合、キャリアが浅いことは重々承知の上なので、それは問題ではありません。ただ、なぜ短期間で辞めたのかという理由を明確に語れなければ、またいずれ辞めてしまうのではと思われてしまいます。退職理由と志望動機は人事担当者が納得するレベルで明確に答えられなければだめですね。

 また、実際に転職希望をされる方々を見ていると、企業カルチャーに合わなかったことを理由にする方が多いのです。企業側から見ても、それを理由に辞めてしまう新卒者が多いのが悩みの種でもあります。そこで、職場の雰囲気、対人関係、社風といったものをきちんと理解して、応募する必要があります。こうした"空気感"のようなものは、なかなかわかりにくいものですが、第三者の立場から情報を提供してくれるものとして、人材バンクなど企業と求職者の仲立ちになるものを活用するのもひとつの手ではないかと思います。

露木

 第二新卒は、キャリアチェンジをするにしても、絶好のチャンス。年齢が高くなればなるほどキャリアチェンジはしにくくなります。企業としても、例えばエンジニアの技術を持った営業、法務知識を持った事務といったハイブリッドな能力には期待を持っています。そういった意味でもキャリアチェンジへのチャンスは大きいです。

 ただし、売り手市場の今なら、誰でも簡単に転職できるようにみえるかも知れませんがそうではありません。実は「内定が出る人、成功する人」と「全く内定が出ない人、失敗の転職を繰り返してしまう人」、とで二極化しているんです。

 転職を成功させたいなら、面接などで「自分のこういう面を伸ばしたいので、この仕事に就きたい。だからこういう勉強をしてきました」と論理的に説明できなければなりません。ですので、まずは自分がこれまでなにをやってきて、これから何がしたいのか、どういうキャリアを築いていきたいのか、自分の過去と現在と未来をしっかりと見つめなおす必要があります。自分の分析をきちんとできないままでの転職活動は、ミスマッチを繰り返してしまうケースが多いですから。

 自分の過去と現在と未来をうまく整理できないという人はぜひ人材バンクへ。私たちコンサルタントがお手伝いしますよ。


 
     
編集部からの転職ポイント
 

ポイント1景気回復で全業界に活気

景気の回復により、あらゆる分野の企業が活気を帯びている。その分、求人も増えているのは確か。しかし、それは第二新卒に限ることではなくて、新卒を中心とする若手に人気が集まっているという点に注意。

ポイント2終身雇用の崩壊で中途採用は"常識"に

今は、かならずしも学校を出て4月に入社というパターンだけでなく、さまざまな形の就職が増えている。そのために、新卒・第二新卒といった垣根も低くなっているようだ。その点で、第二新卒をある程度ウリ文句にすることもできるだろう。しかし、退職理由と志望動機だけは明確にしておこう。

ポイント3ピークはしばらく続くが、長くは続かないかも

IT業界などは、これからもさまざまな展開が期待されるが、今、活気を帯びている業界でも、不足している人材が補充されれば今の売り手市場は収束するはず。機を逃せば、職は遠のくことを肝に銘じておこう。

ポイント4社風に合うかどうかは重要なポイント

転職理由で多いのが、個人のポテンシャルや業務内容ではなく、職場環境や企業風土とのミスマッチ。直接応募ではそのへんがよくわからないが、人材バンクは紹介企業とツーカーの場合が多いので企業カルチャーまで知ることができる。

アドバイスをくれたコンサルタント
露木洋子氏
アデコ株式会社 
人材紹介サービス部
コンサルタント
露木洋子氏
国内大手証券会社にて個人営業(新規開拓、既存顧客への提案営業)を経験。その後アデコへ。現在は第二新卒の転職希望者を担当。転職の相談に来られた方が、リラックスして話せるようなコンサルティングを心がけている。

岩下 文氏
株式会社ネオキャリア
人材紹介事業部
キャリアドバイザー
岩下 文氏
第二新卒のチームに所属。主に20代、30代 若手層の転職支援におけるサポートと経験が豊富。特にIT、管理(人事・総務・経理・法務)系や営業系を得意とする。

 
文/有竹 真(ジャネットインターナショナル)
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