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「どうやって書けばいいのか
分からない」
「書類選考で落とされる理由がわからない」――。

職務経歴書で悩んでいる人、大集合!

職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・

第33回のお悩み 自己PRと志望動機の書き方がわからない 30歳/女性/貿易事務編
今回の相談者   今回の所長
相談者田淵直美さん(仮名)

高校卒業後、アメリカの大学へ留学。帰国後、海運会社へ就職。依頼5年半に渡り貿易事務業務に携わが、さらなるステップアップを目指し転職を決意。メーカー、商社等を志望しているが、同業界での経験の浅さがネックになり苦戦が続いている。

 
所長K.Tさん

キャリア・コンサルタント。個人を対象にしたキャリア形成および転職支援コンサルティングのほか、 企業向けの人材育成コンサルティングで多数の実績を有している。また、現場においてもキャリア気付き研修のファシリテーターや能力開発トレーナーとして活躍。
●産業カウンセラー
●NPO法人日本キャリアカウンセリング研究会会員

     
 
プロフィール
お悩みポイント
その1   パンチの効いた自己PRの書き方
その2   採用担当者の心の響く志望動機の書き方
その3   ルーティンワークな仕事を効果的にアピールしたい
before 田淵さんの職務経歴書
before 田淵さんの職務経歴書
 ↑クリックで拡大します
 
 
NGポイント
OK 全体
  • 基本的にはこの体裁でOK。経験してきた仕事、できることが簡潔にわかりりやすくまとまっている。
NG 取り組み・心掛けたこと
  • 「御社に貢献できること」とし、即戦力としての能力をアピール
  • 「取り組み・心掛けたこと」は、対応する「職務内容」の下に成果とともに書く
NG 職務内容
  • だぶっている業務もあるので、より簡潔にまとめる
  • 特にアピールしたい経験職務ではない場合は端折るのも可。その分スペースが有効に使える
NG 語学力
  • 職務経歴のページにこぽつんとあるのは違和感がある。2枚目に移動
  • 語学力は大きな武器なので、もっと具体的にアピール
NG PCスキル
  • 志望動機や自己PRの方が重要なので、一番下へ移動
NG 志望動機
  • 基本的にはOKだが、よりこれまでの経験・能力を駆使して志望する会社に貢献できるといった感じでつなげて書く
NG 自己PR
  • 「自己学習力」「人とのつながりを大切にする力」は見出しとしてわかりにくいので、工夫する
  • 貿易事務業務で身につけた専門スキルをアピールする
OK
  • 項目を立てて見出しを立てて、簡潔に書いてあるのはGood!
 
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書はこちら
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書
「職務領域」「業務内容」「御社に貢献できること」の3列に分けることによって、これまで経験してきた仕事と身につけたことが一目瞭然になった
経歴書に記載する職務内容を絞ったことで内容が濃くなった
経歴書に記載する職務内容を絞ったことで内容が濃くなった
事務では表しにくい実績・成果を具体的に記載できたことで、仕事を通しての人間性などに至るまでイメージしやすくなった
貿易事務という専門スキルが要求される職務であるだけに、応募した企業に対し貢献できることを明記したことで市場価値がわかりやすくなった
複数の視点から自分の強みを抽出して記載できているので、書類の読み手に伝わりやすい内容になっている
修正後の職務経歴書をダウンロード  DOWNLOAD  
K.T所長 K.T所長 田淵さん

田淵さん

※ドキュメントをご覧いただくには「Adobe Reader 」が必要です。
ステップアップを目的とした転職の場合
田淵さん

これまで5年間、貿易事務として働いてきたのですが、このまま同じ会社にいても同じ業務の繰り返しで、将来つぶしが利かなくなる可能性が高いんですよね。そういうわけで、これまでの経験をベースにより幅広く高度なスキルを身につけたいと思い、転職を考えています。

K.T所長

この先はどういう会社でどういう仕事をしたいと思っているのですか?

田淵さん

例えば海外との輸出入を盛んに行っている商社での営業事務を考えています。

K.T所長

それならこれまでの貿易事務の経験が生かしつつ、仕事の幅を広げられそうですね。

田淵さん

でも同じ貿易関係とはいえ、私が勤めている会社と商社では仕事が全く違うんです。とりあえずこの「行列のできる職務経歴書相談所」の過去記事を参考に作ってきたのですがなかなか自信がもてなくて……。

K.T所長

なるほど。よく研究されてますね。時系列ではなく職務別にまとめるなど、基本的にはこれでOKですが、より人事にアピールするためにさらにブラッシュアップをかけていきましょう。

田淵さん

よろしくお願いします。

 
これまでの経験をベースに貢献度をアピール
K.T所長

まずは職務経歴から見ていきましょう。職務領域、職務内容別に簡潔にまとまっているのはとてもいいと思います。しかし、3列目の「取り組み・心がけたこと」は「御社に貢献できる領域」とした方がいいですね。

田淵さん

それはなぜですか?

K.T所長

別枠で「取り組み・心がけたこと」を設けるのは、キャリアチェンジなど未経験職種にチャレンジする場合、つまり、経験不足を補うために、仕事に取り組む姿勢、創意工夫、人柄や熱意など、スキル以外のコンピテンシーや人間力をアピールする。しかし、田淵さんの場合は、5年半も専門職としてのキャリアがあり、それをベースにさらにステップアップを図るのが今回の転職の動機なので、ここは「御社に貢献できる領域」とし、即戦力としての能力をアピールしましょう。

田淵さん

これまでの経験を次につなげるという意識で書くのですね。

K.T所長

その通りです。その代わり、「取り組み・心がけたこと」は成果も含めて職務内容の欄に入れましょう。それぞれの経験職務の下に配置するのです。「○○の職務をするにあたって××のような気持ちで望み、■■のような成果を出せた。これによって身につけた能力で御社に△△のように貢献できます」という流れで書くのです。

田淵さん

なるほど〜。でも営業職とは違って、数字などで目に見えてアピールできる成果ってなかなかないんですけど……。

K.T所長

いやいや。数字がなくたって成果はアピールできますよ。これまで経験した仕事で人から助かったと言われたり、喜ばれたりしたことはないですか?

田淵さん

そういえばそれまではお金の計算はすべて手打ちで計算していたのですが、私がエクセルで関数を組んで複雑な計算でも数値を入力するだけで集計できるようにしたんです。これによってすごく作業が効率的になったと周りの人に喜ばれました。

K.T所長

それですよ! そういった、田淵さんにしか書けない、オリジナルの成果を書くんです。そして結果的にその経験が応募先の会社に生かせるといったように、つなげていけばいいんです。

田淵さん

なるほど。

K.T所長

あとは一番最後の「課内事務」といった一般事務的な職務経歴は無理に入れなくてもいいですよ。

田淵さん

あ、そうなんですか? これまで経験した職務はすべて記載しないといけないのかと思っていましたが。

K.T所長

いえいえ。そんなことはありません。履歴書には時系列でこれまでの職務経歴をすべて記載しないといけませんが、職務経歴書はアピールしたい職務経歴を重点的に書けばいいのです。田淵さんの場合、一般的な事務経験はさほど重要ではないので、省略すればその分スペースが空くので、各経験職務の下に、「取り組み、心掛けたこと」や成果が書けるでしょう。

田淵さん

なるほど。スペースも有効に活用、ですね。またひとつ勉強になりました。

 
志望動機では強みを最大限に生かす
田淵さん

私が一番悩んでいるのが自己PR志望動機の書き方なんです。どちらも共通しているのが、「書いた内容にあまり自信が持てない」ということなんです。

K.T所長

そうなんですか? 貿易事務は専門性高い職種です。田淵さんはそれをこれまで5年半も経験してきたのですから、専門スキルが身についているはずですし、人事にとってもかなりポイント高いはずです。だからもっと自信をもちましょう!

田淵さん

具体的にはどうすればいいのでしょうか?

K.T所長

4つに分けてそれぞれ見出しをつけているので、書き方としてはこれでOKです。内容的には、もっとスキルの専門性をアピールしましょう。ここに書かれている4つはヒューマンスキル的な強みですが、それだけでは弱いので、貿易事務としての専門スキルをアピールしたいですね。また、3の「自己学習力」と4の「人とのつながりを大切にする力」もあまり真意が伝わりにくいし、インパクトも弱いので再考の余地ありですね。

田淵さん

わかりました。もう少し考えてみます。志望動機はどうでしょう?

K.T所長

志望動機も決して悪くないですよ。ただもう少し説得性をもたせたいですね。志望動機では1.なぜその会社に入りたいのかという志望理由 2.志望する会社に入社した後、どう貢献できるかの2つを明確に書く必要があります。これまでの経験をベースにステップアップしたいということを明確にアピールするためには、入社してからのビジョンをもう少し強く打ち出した方がいいでしょうね。経験が不足している部分に関しては、「○○はできないけど頑張ります」ではダメ。それよりも、「○○ができるから、こういうふうに生かして御社に貢献したい」と強みを最大限に生かす方向で書いた方が、採用担当者にはぐっと響きますよ。

田淵さん

わかりました! 何事もネガティブよりポジティブに、ですね。なんだか自信が湧いてきました。頑張って書いてみます!

今回のポイント
 
その1   志望する会社でどう貢献できるかに重点を置く
その2   自己PRでは専門スキルも重要
その3   志望動機ではあくまでできることをアピールする
   
OK総評

職種の専門性が高い求人に応募する場合は、要求されるスキルをより具体的に述べることがまずは大切です。その反面、細かくなりすぎると、読み手の印象に抵抗感が生まれることもあります。枚数は1枚にして、その範囲にわかりやすくまとめることをかなり意識することで経歴書としての質は飛躍的に上がると思います。さらに応募する会社に対し、どのような貢献が出来るのかを明記すると、担当者としてもマッチングがしやすくなり、応募する側としても自己アピールポイントを絞って伝えられるという効果があります。専門性が求められる職種に限らず大事なことは、相手が求めている内容に自分としてはどのように応えられるのか、という点に最も注力することです。

 
眼からウロコの感想

職務経歴書を読み返して、考えていた以上に、書面では実務経験が少なく見えたので、キャリア不足で選考に残されにくいのではないかと思いました。また、希望する仕事が見つかりにくく、人材紹介所の紹介が少ないことから、自分の経験に対する自信が揺らぎ、応募に尻込みしていました。「御社に貢献できること」の欄を設けることで、今までの経験がどのように応募先企業で生かせるかを具体的にアピールし、また、経験を元にステップアップできる可能性を捨てずに、前向きにいく勇気が持てました。再度、経験の棚卸しをし、自分自身と向き合い、気持に整理をつけたことで、自信を持って、意欲的に企業に応募することができそうです。

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イラスト/アオキシン(タイトル)、東 聖子(顔)
取材・文/山下久猛
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