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「どうやって書けばいいのか
分からない」
「書類選考で落とされる理由がわからない」――。

職務経歴書で悩んでいる人、大集合!

職務経歴書の書き方をプロが直接指南します。さてさて今回の相談者のお悩みは・・・・・・

第27回のお悩み キャリアに一貫性がない場合の書き方は? 33歳男性編
今回の相談者   今回の所長
相談者田坂信也さん(仮名)

33歳男性。大学卒業後、ノンバンクで営業(1年)、融資審査(1年)、債権回収(半年)、派遣社員として携帯電話の故障修理バックヤード業務(1.5年)、大手通信会社でブロードバンドインフラ構築・設備管理業務(5年)、システム会社でネットワークエンジニアとして大手ポータルサイトやホスティングサービスの運用・保守(1.5年)などを経験。現在転職活動中だがこれまでのキャリアに一貫性がないため苦戦中。

 
所長K.Tさん

キャリア・コンサルタント。個人を対象にしたキャリア形成および転職支援コンサルティングのほか、 企業向けの人材育成コンサルティングで多数の実績を有している。また、現場においてもキャリア気付き研修のファシリテーターや能力開発トレーナーとして活躍。
●産業カウンセラー
●NPO法人日本キャリアカウンセリング研究会会員

     
 
プロフィール
お悩みポイント
その1   脈絡のないキャリアなので、自分の強みをどうアピールすればいいかわからない
その2   効果的な自己PRの仕方がわからない
その3   これまでのキャリアの中で特に創意・工夫・成果などがない場合のうまい表現の仕方がわからない
before 田坂さんの職務経歴書
before 田坂さんの職務経歴書
 ↑クリックで拡大します
 
 
NGポイント 
NG1
  • 採用担当者がみたいのはまず詳しい職務経歴なので、1枚目には職務経歴を記載する
NG2  
  • 箇条書きは絶対NGというわけではないが、スペースを取るし、味気ないので、職歴は略歴として文章としてまとめた方がベター
NG3  
  • せっかくいい能力を身につけたのだから、箇条書きで独立させたら印象が薄くなるのでもったいない。これらの能力をどの仕事から身につけたのかを関連付けてわからせた方がより説得力が増すので、職務経歴書の中に入れ込む
  • PCスキル等と自己啓発は2枚目の最後に移動
NG4  
  • 時系列・会社別に書くと、キャリアの一貫性のなさがさらに強調されてしまう
  • 業務内容からどんな成果を挙げ、どんな能力を身につけたかがわからず、アピール力が弱い
 
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書はこちら
 
アドバイスを元に作り直した職務経歴書
OK ・職務経歴を1枚目に記載したことで詳しい職務経歴がわかる ・略歴でこれまでどのようなキャリアを歩んできたのかがざっくりわかる
OK ・ひと目でどんな仕事をどのくらいの期間経験してきたのかがわかる
OK ・どんな仕事でどんな成果を出したのかがわかりやすい
OK ・これまで身につけたスキルや強みをわかりやすく書くことにより、志望会社に対してどう貢献できるかをアピールできている
OK ・志望動機を付け加えたことで熱意をアピールできる
OK ・箇条書きで簡潔にまとめられている
OK ・独立したコーナーにすることでよりアピール力がアップ
修正後のキャリアシートをダウンロード  DOWNLOAD  
K.T所長 K.T所長 田坂さん

田坂さん

※ドキュメントをご覧いただくには「Adobe Reader 」が必要です。
時系列、会社単位で書くべからず
田坂さん

私はこれまでノンバンクの営業、携帯電話の故障修理、大手通信会社のブロードバンドインフラ構築・設備管理業務、システム会社で大手ポータルサイトやホスティングサービスの運用・保守など、いろいろな会社でいろいろな仕事を経験してきました。業界・職種などてんでばらばらで、全く脈絡がないんです。この点が非常にマイナスになっていて、人材バンクのコンサルタントや企業の採用担当者にも「キャリアに一貫性がないね」と言われ、書類選考で落とされることもしばしばなんです。だからこんな一貫性のないキャリアでも、書類選考を通過するためにはどう書けばいいかですごく悩んでいるんです。

K.T所長

なるほど。確かにキャリアに一貫性があるかどうかは、企業側が最も重視する項目のひとつですからね。実際にキャリアに一貫性がない場合、時系列、会社単位で職務経歴書を書いてしまうのが最もまずい書き方なんです。

田坂さん

え? どうしてですか?

K.T所長

こういうふうに時系列、会社単位で書いてしまうと、それこそ業界も職種もバラバラなので、一体何ができるのか、強みは何なのかがよりわからなくなってしまいます。採用担当者によっては、何も考えずにふらふらしてきた人と判断されかねません。

田坂さん

キャリアに一貫性がないとハジかれるのはそういうことだったんですね。

K.T所長

採用担当者が見るのは、これまで経験してきた仕事を通して、どういうスキル・能力を身につけたのか、強みは何なのか、それによってどう会社に貢献できるのかということです。よって、そういうことが明らかになる職務経歴書にしなければなりません。

田坂さん

具体的にはどうすればいいのでしょう?

K.T所長

時系列・会社ごとではなく、まずはこれまでやってきた業務内容・職務内容ごとに職務経歴書を作り直しましょう。表組みにして2つに分けて、左の列は職務領域、右の列は職務内容とします。職務領域欄にはこれまで経験してきた業務と経験年数、職務内容欄には仕事内容、会社への貢献したこと、身につけたスキル・能力を書きます。これはどんな仕事でどんな成果を挙げ、結果どんな力を身につけたのかをわかりやすく関連付けてアピールするためです。こうすれば説得力が増すでしょう?

田坂さん

なるほど。なんとなくわかってきました。

K.T所長

だから現時点で自己PRの中に入っている業務を通して身につけた強みはすべて職務経歴書の職務内容の欄の中に入れ込みましょう。

 
アピールできることは必ずある
K.T所長

ところで、田坂さんは今後どういう仕事をしたいと思っているのですか?

田坂さん

やはり一番経験が長い通信企業でのインフラ構築や設備管理業務をやりたいと思っています。

K.T所長

では、職務領域には「業務管理」を一番前にもってきて、スペースも大きくとって詳しく書きましょう。言うまでもなく転職は競争です。大勢の応募者の中から田坂さんを選んでもらわなければいけません。そのためにはひとつでもいいので売りとなるキャリアがほしいですね。この間の経験で身につけたほかの人とは違うアピールポイントはありますか?

田坂さん

う〜ん……僕には人に誇れるような創意工夫も成果もないんですが……。

K.T所長

本当ですか? 何も表立った業績や成果でなくてもいいんですよ。そもそもバックヤードの仕事は営業とは違って華々しい成果は挙げられないのですから。テクニカルスキルではなくてもヒューマンスキル的なものでもいいんですよ。

田坂さん

そういえば手間のかかる面倒な仕事も苦にならないんですよね。むしろ人が嫌がる仕事をやりたいと思っていて、実際、期限内にきちっと仕上げていました。

K.T所長

それですよ! それは大きな武器になります。

田坂さん

でもこんなの誰にでもできる普通のことなんじゃないかと思うのですが……。

K.T所長

決してそんなことはありません。あなたにとって当たり前のことであって、他の人からみると決して当たり前ではないと思いますよ。当たり前のことが当たり前にできない人も多いのですから。バックヤードの業務にするにあたって、人の嫌がる面倒な作業をコツコツと期限までに仕上げることができるのは大きな武器になりますよ。あとはどううまく表現するかですね。ここはテクニックになります。もちろん嘘はいけませんが、同じことでも表現次第で全く印象が変わってきますから。例えば「淡々と業務をこなしていただけ」は「コツコツと正確に仕事ができる」と言い換えたら随分印象が違うでしょう? だから同じことでもよりポジティブな表現に変えるように心がけることが大事です。会社への貢献という意味ではどうですか?

田坂さん

これもあまり自信がないんですが、コスト削減まではいかなくても、納期内に仕事を仕上げて、利益を生み出すためのベースを早く作っていたということはいえると思います。

K.T所長

それも大きなアピールになりますよ! それは明らかに利益貢献です。こういう点を全面に押し出しましょう。

田坂さん

なるほど……。少し自信が湧いてきました。

経験職務を全部書かなくてよい
K.T所長

職務領域は絞った方がいいですね。後は直近の仕事だった保守・運用もバックヤードの管理業務なので、これも入れてふたつにしましょう。

田坂さん

え? ノンバンクでの営業や携帯電話の仕事の経験は書かなくていいんですか?

K.T所長

職務経歴書は、これまでの経験を通して自分はこういうことができます、自分の強みはこれです、だから御社に貢献できますということをアピールする、自分を売り込む企画書なので、経験してきたすべての職務を書く必要はないんですよ。そもそも職歴は履歴書に書くし、これまでのキャリアの流れは職務経歴書の一番上に、略歴として簡単に書けばOKです。

田坂さん

なるほど。また一枚、目からうろこが落ちました。

思いと熱意を込める
田坂さん

自己PRはどう書けばいいでしょうか?

K.T所長

箇条書きでシンプルに自分の強みを書いた方がいいですね。職務経験から身についた強みは職務内容と連動させるために職務内容欄に書いた方がいいので、ここでは仕事に対するポリシーや姿勢など、ビジネスパーソンとしての強み・長所を書いた方がいいですね。あと、志望動機は必ず書きましょう。履歴書のスペースだけでは書ききれないはずですから。ぜひ御社で働きたいんだという熱い思いを書くのです。志望動機に限らず、職務内容欄でも、自己PRでも、熱意を込めることが大切です。読む相手だって同じ人間なのだから、思いや熱意がこもった職務経歴書の方が伝わるはずです。頑張ってみてください。

田坂さん

なんだかこれまでとは違ったものが書けそうな気がします。ありがとうございました。

今回のポイント
 
その1   キャリアに一貫性がない人は、時系列・会社別に書くのではなく、経験職務別に書こう
その2   「経験職務→成果→身につけた強み→だから御社に貢献できる」といった流れで書くと説得力がアップ!
その3   思いや熱意を込めて書く
   
OK総評

サポートを中心とする業務職の職務経歴書はアピールする点が難しくなりがちです。ともすると培ったスキルを特に強みと感じることも少なく、内容も平板になってしまう恐れがあります。これを回避するためには、サポート業務であるからこそ求められるスキルに焦点を当て、そこから生み出される成果をしっかりアピールすることです。

 
眼からウロコの感想

お伺いした際に職務経歴をすべて書かないということに衝撃を受けました。アピールしたいところだけを職種別に記載し、今までより納得できる経歴書ができました。それを紹介会社4社へ提出しましたが、すべての会社で今までの経歴書が良いと回答言われ、実際には書類として使用しませんでしたが、面接時の資料として有益なものになりました。

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イラスト/アオキシン(タイトル)、東 聖子(顔)
取材・文/内藤すみこ
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