「歓迎」だった経験が、面接の場では必須に

なぜキャリアコンサルタントになろうと思われたのですか？

人と接することが好きという理由で、最初はホテルで勤務しました。その後は別の会社で、人を専属でお世話する役員秘書を経験しました。そのうちに、人をおもてなしする能力を、外部で活かしたいと思うようになりました。いろいろ仕事を調べているうちに、人に無形のサービスを提供する人材ビジネスに興味を持ったのです。アデコに転職してからは最初に企業開拓営業を担当しました。そこから異動してキャリアコンサルタントになり、今に至ります。私も2度転職を経験していますので、その体験も生かして、求職者と企業のベストな橋渡しをしていきたいと思っています。

キャリアコンサルタントとしてのポリシーがあればお聞かせください。

二つあります。

一つ目は採用ポイントを的確に把握することです。企業の人材採用担当者が書いた求人票がすべてかというと、実はそうでもありません。中には採用条件とは異なるがとりあえず会ってみようとする姿勢の企業もありますし、「歓迎」となっていた経験が、面接の場では必須に変わっていることもありました。私は人材派遣や人材紹介の営業も経験していますので、企業には表になかなか出にくい採用ポイントがあることを知っています。それをできる限り事前に聞き出して求職者に伝えることが私の役目であり、対策をしっかりと整えて、内定の確率を上げられるようにサポートしたいと考えています。

二つ目は転職支援に役立つ情報に対して、常にアンテナを張るようにしていることです。情報は日々変わっていきますので、マッチングや支援に生かせる情報が古くなっていることもあります。新聞・雑誌などに目を通し、情報をリフレッシュして、コンサルティングの実務に活かしたいと思っています。

私たちが間に入ることで、最大限の効果を上げたい

転職支援で印象に残っているお話がございましたらお聞かせください。

私が関わったからこそ実現できた、異業界転職の事例がありました。Aさん（仮名）は医療機器の営業をされていましたが、より営業としてのスキルを高めたいと転職を希望されていました。自分の能力を生かせるのであれば異業種でもトライしたいという方でした。そこで私は人材業界の営業をご紹介し、無事採用となりました。

ポイントは異業界の営業でも優秀なら採用したいという先方の意向を確認できたことと、面接前にAさんが活躍できると思うアピールポイントを伝えられたことです。合わせて人物像もお伝えしたことが後押しになったように思います。同業種・同職種の経験者だけでなく、私自身の転職と同じように、キャリアチェンジの転職を支援ができたことは、非常に感慨深いものがありました。

転職成功者に共通する、画一的でない応募書類

これから転職しようとされている求職者にメッセージがあればお願いします。

求職者はたくさんの企業を受けるので、画一的な応募書類を出されることも多いのですが、実はこれまで成約した方には、応募する企業を絞った上で書き込んだ書類を作成し、提出していることが多いです。志望動機や仕事に生かせると考えている経験やスキルも、応募企業のことを調べて、納得できる理由を書いていました。画一的な書類では、求職者の良さが十分に伝わらないことがあります。求職者の皆さんには、ぜひ応募企業に合わせた書類を仕上げていただきたいと思います。

私も2度転職を経験しましたが、転職によって人生は大きく変わります。人生の岐路となる大事な場面ですから、私もプロとして求職者の役に立つようにアドバイスしたいと思います。また、求職者の満足のいく転職を実現できるように、全力で粘り強くサポートしたいと思っています。

最後に、休日の過ごし方やオフでこだわっていることがあればお教えください。

休日は、休養、癒しおよび身体のメンテナンスというワードを念頭において過ごしています。その理由は、平日の仕事で120％の力を出すためです。それだけ、平日は仕事に集中したいと思いながら生活しています。