信頼されるために、求職者目線になってみる

キャリアコンサルタントとして、ここは強みだと思われることをお教えください。

ここ数年、大変多くの求職者をご支援しています。ご支援する中で私があらためて学んだのは、信頼いただくことの大切さです。では、信頼いただくために何をやっているのかというと、求職者の目線で考え、行動することです。この点は今、自分にとっての強みになっていると思います。

転職活動では、誰もが少なからずストレスを感じるものです。また在職中の方は、活躍されている人ほど転職活動に多くの時間を割けないものです。私は、より精度の高いコンサルティングができないかと考え、求職者との最初の面談をこれまで以上に大事にしようと思うようになりました。最初にお会いしたときには、その方が当社に何を求めているかをじっくり観察するようにしています。私に何を期待されているのかを、考えるのです。そして面談で感じたことに沿って、求職者ごとにお世話する内容を変えていきました。オーダーメイドともいうべき接し方をするようになってから、求職者との距離がぐんと近くなったように思います。

求職者の多くは、相談相手がいなくて困っていた

求職者をご支援してみて、あらためて気付いたことはありましたか？

多くの求職者から初めての転職で周囲に相談できる人が少なかったという声を聞きます。確かに転職を考えていることは、社内はもちろん、家族、友人にもなかなか言いづらいものです。インターネットに流通している情報をもとに活動されているかたも少なくはありません。転職活動を俯瞰的にみることができないことが多く、情報が偏っていることも珍しくありません。実は私が見ていても、転職においてごく常識的と思えることすら知らない方が意外に多いのです。

私は、書類作成から企業研究、面接準備と細かくフォローするようにしています。私を信頼していただける関係をつくることで、最終的にご本人が納得される転職へとつながっているように思います。

熱意が伝われば、経験の有無も超えられる

転職支援で印象に残っている事例があればお聞かせください。

30歳で営業経験がなかったAさん（仮名）が年収500万円超の営業職として転職した事例です。Aさんは直近のキャリアでは塾講師をされていましたが、以前は自衛隊にいらしたこともあり、体育会系で人柄もよく、大変元気な方でした。企業側は条件を営業経験者としていたものの、やる気と人柄が良ければ営業経験がなくてもチャレンジできるのではないかと考えました。思い切って書類選考をお願いすると企業からは面接したいとの打診を受けました。

普段通りのAさんをアピールしつつ、面接では企業への思いを全面に押し出しました。また2次面接後にお礼状を書き、最終面接では事前に書面（手書き）で思いをしたため、入室と同時に手渡しして読みました。その結果、Aさんの思いが伝わり、最後は採用となりました。経験と同じくらい、思いを形にすることが大事だと認識することができ、自分にとっても可能性を広げてくれた事例だったと思います。

これから転職しようとされている求職者にメッセージをお願いします。

転職では、初めての人も、経験済みの人も誰もが神経をすり減らします。人生における大きなイベントです。ご相談いただいた求職者に対しては、私のこれまでの経験を生かしながら、最高のお手伝いをしたいと思っています。一緒に悩み、一緒に戦い抜いていきましょう。