ここ10年くらいの座右の銘にしている言葉のひとつに、「モノより思い出」(※1)というのがあります。ご存知の方も多いと思いますが、日産セレナの広告のキャッチコピー(1999〜2004)なんですよね。僕が丸井さんを辞めて独立したころにちょうどこのキャッチコピーのセレナのCFがオンエアされていたのですが、まさにこのコピーが丸井さんを辞めた理由そのものだったので、フジヤマストアの社是・社訓にしてたんですよ。
このコピーを作ったのは、小西利行さん(※2)という有名なコピーライターで、近年クリエイティブディレクターとして活躍中の人なんですが、実はネクスタイドの「違いは個性、ハンディは可能性」というコピーもこの小西さんに作っていただいたんですよ。
このコピーは、ネクスタイドだけじゃなくてまさに僕の人生観にぴったりなんですよね。これまで苦しい状況に追い込まれてもそこから這い上がってプラスの状態にもっていけたのは、「ハンディを可能性」ととらえることができたからにほかなりません。その過程で味わう幸福感みたいなものが何物にも替え難い喜びでもありましたしね。
ほんと、ご縁ですよね。まさか小西さんに僕らのプロジェクトのコピーを作ってもらえるとは夢にも思わなかったなあ。想いを持ち続けていると必ず繋がっていくんですよね。この時空を超えて繋がったという感じも、仕事をしていてうれしいこと、醍醐味、やりがいのひとつです。
※1 「モノより思い出」──須藤氏は息子たちの小学校卒業記念に川崎の自宅から400km離れた福島の祖母の家まで一緒に自転車で行くというイベントを行っている。「長男は6年生のときに、次男と三男は5年生と3年生のときに行きました。そのときに毎日日記をつけさせていて、息子たちにやらせる以上自分もやんなきゃと思って僕自身も日記を書きました。これが『モノより思い出』のひとつの形です。ちなみにそのときの自転車をニュージーランドに持っていっていて、それで今息子たちは学校に通ってるんですよ」(須藤氏)
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| 自転車で400kmを走破した次男と三男(写真提供:須藤氏)※クリックで拡大 |
※2 小西利行──クリエイティブディレクター/コピーライター。博報堂を経て、2006年に独立、株式会社POOLを設立。日産自動車セレナ「モノより思い出」キャンペーン、プレイステーション「暮らし、イキ!イキ!」キャンペーン、サントリー伊右衛門、PARCO「ふたりPARCOキャンペーン」などを手がける。広告のほかに日本最大のエコ・ショッピングセンター「AEON Lake town」(越谷)などのクリエイティブ・ディレクションも担当。TCC賞、ニューヨークACC賞金賞、フジサンケイ広告賞グランプリなど受賞多数。 |