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魂の仕事人 第25回 其の三
下請けからの脱皮を決意 前代未聞のチャレンジで アニメビジネスの枠組みを変えた
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(監督:押井 守)の続編で、下請けから脱皮して業界内で「立ち上がろう」と決意した石川氏。しかし立ち上がることはリスクを伴う。業界内でクライアント側である大企業と競争したり、時には戦ったりしなくてはならないからだ。しかし石川氏は恐れなかった。その勇気が従来のアニメーションビジネスの枠組みを壊し、変えていくことになる。  
株式会社プロダクション I.G代表取締役社長 石川光久
 

従来のアニメビジネスの
スキームを変えたかった

 

 それまでは奥ゆかしさがあって、下請けとしてクライアントや元請けとケンカや競争をしたくなかった。こういうことを言うと、いろんな人から「石川、よく言うよ」って言われるかもしれないけど、自分の中ではそうだったんです。

 でもそのときはここで立ち上がって競争せざるをえないなと思ったんです。今まで仕事をいただいていたクライアントさんに対しても、立ち上がることでいっときは理解を得られなかったとしても、ここは競争しなきゃいけないんだっていう強い気持ちがあったんですね。

 具体的にはアニメーションビジネスのスキームを変えたいと思ったんです。従来だと、アニメーション制作の下請け会社は、基本的に作品を制作して納品して1回ギャラをもらったらそこで終わり。それ以降の利益は出資して版権をもっている出版社やテレビ局、広告代理店などのクライアント側へ回るのが常識でした。

 高いクオリティの作品を作り続けるため、また尊敬するアニメーターや監督にできるだけ高い報酬を払うためには、当然より多くの資金が必要です。しかし下請けのままではそれは望めない。だから下請けから脱皮して、自ら作品に出資できるレベルの会社になろうと思ったんです。出資できるようになれば、「作って終わり」じゃなくてその後も資金が回ってくるようになりますから。そういった資金の循環も考えて、今までのスキームに挑んだっていうことですね。それが「立ち上がる」ということです。そう決意したときは、もう後戻りできないと思いました。今はそう思えるほどのことは滅多にないですね。

なんとかなるだろうと思えなければ
なんともならない
 

下請けからの脱皮を決意した石川氏は『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(監督:押井 守)の続編を国内の出版社やメーカーなどからの出資に頼らず、自社で製作することを決意。そして2001年、のちに『イノセンス』(監督:押井 守)となる『攻殻機動隊2』の脚本を持って、監督の押井守氏とアメリカに渡った。ハリウッドのメジャー映画会社と直接交渉して、制作資金を得るためだった。国内のアニメーション制作会社が、大手広告代理店を通さず、メジャー映画会社と直接交渉をすることだけをとってみても、もちろん前代未聞。しかし「立ち上がること」を決意した石川氏にはそれほど高いハードルとは思えなかった。

 『イノセンス』(監督:押井 守)の脚本をもってアメリカに渡ったときは、どんなことをしても契約を決めてこないとダメだというプレッシャーはあるにはあったのですが、それに押しつぶされそうになったり、悲壮感を感じたりはしなかったです。

 なぜか必ずうまくいくだろう、なんとかなるだろうという根拠のない自信があったんです。それがすべてこれまでの突破口になっている気がします。だから根拠のない自信はすごく大切だと思います。

 逆に言うと、なんとかなるだろうっていう気持ちがないと、なんともならないんですよね。だからやる前からダメだと思う人間は、やっぱり何をやってもダメだと思うんですよ。

 そういう根拠のない自信は海外放浪した経験で身についたような気がします。もちろん、ハリウッドのメジャースタジオと交渉するのも今回が初めてだったんですが、最初からあまり海外ということを意識することはなかったですからね。

「交渉」ではなく、素直な気持ちをぶつけただけ
 

 ターゲットは、ドリームワークスとワーナーブラザースと20世紀FOXの3社に絞りました。彼らは巨大資本をもつ世界的な映画会社ですが、一番興味をもつ点は、「作品の作り手は誰か」なんですよ。そういう意味では96年には『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(監督:押井 守)がアメリカのビルボード誌のセルビデオ・チャートで1位を獲得していましたから、話は早かったです。「ああ、あの作品を作った会社か」ってね。間に代理店などをはさまなかったのもよかった。

 つまり高い技術力をもつ人間が作る魅力的な作品には、世界中から才能のある人材、お金が自然と集中するんです。アニメーションビジネスで勝つためには、そのいろんなものが集まってくる中心である「ハブ」になることが重要なんです。

 そのハブになるためには、魅力的な作品を作ることができる優秀な人材、アニメーター、スタッフ、監督たちが集まってくる魅力的な「場」を作ることが一番大事なことじゃないかと思うんですね。

 魅力的な場を作る→いい人材が集まる→いい作品が生まれる→またいい人材が集まってくる→ますます魅力的な場になる、っていうイメージですね。つまりいい作品を作り続けると自然にハブになってくるんです。だからハブは何かっていうところに、経営者は行くべきだと思うんですよね。

 だから海外のメジャー映画会社と交渉をしているときは、そこをアピールしたんです。すごくいい人材が集まって、いい脚本ができたからここに来たんだと。だからあなたのような全世界に影響力をもつメジャー映画会社に出資して、出来上がった映画を世界配給してほしいと伝えたんです。交渉というか「絶対にあなたにやってほしい」という僕の素直な気持ちをそのまま相手にストレートにぶつけただけなんです。

奥ゆかしさを忘れちゃいけない
 

 でも、「僕の気持ちがわかってもらえなければ他社に売り込みにいきます」ということは当然伝えました。実際にこちらも複数の会社にアプローチしました。こういうことは日本では嫌われるんですが、海外ではむしろ作品に自信があるんだったらそうするべきだっていう考え方なんですよね。

 日本では、「あなただけを信じるから他には話を持っていかない」などといった、武士的な考え、義理と人情、仁義などという考え方が主流ですよね。実は僕も日本的な考え方の方が好きなんだけど、海外に行けば海外のビジネスの土俵っていうのがあるから、それに合わすべきじゃないかなと。そういう柔軟性も海外を放浪しているときに身についたのかもしれないですね。

 それから大事なのは、交渉や人を説得するときには相手にも準備を与えないとダメ。それは海外での交渉でも同じなんですよね。やっぱり文化も違うし、厚かましくいけばいいってもんじゃないんですよ。多くの人は僕らが海外へどんどん厚かましく行ったと思ってるけど、そうじゃないんですよ。交渉してるときに思ったのは、日本の文化はやっぱり奥ゆかしさだと。奥ゆかしさを忘れちゃいけないなと思ったんですよね。

 でもその奥ゆかしさの原点は「強さ」だと思うんです。奥ゆかしさっていうのは、いけるかもしれないとうぬぼれているときに敢えて引くんです。そこは駆け引き……というか強弱ですね。つまりずっと押しっぱなしでもダメだし、引きっぱなしでもダメだったことです。押すべきところは押し、引くべきところは引くっていう当たり前の話なんですけどね。

 そうすることで交渉は成立して、結果的に「立ち上がること」もできたとは思うけど、それだけじゃダメで、立ち上がったら前へ歩いていかなきゃならない。そういう意味で今、これからが本当の勝負だと思っているんですよね。

(写真提供:プロダクションI.G)

石川氏は交渉の末、スティーブン・スピルバーグが設立したドリームワークスと契約。巨額の資金調達と世界配給の約束を取り付けることに成功した。石川氏の交渉術もさることながら、その本質はプロダクション I.Gが世界が認めるハイクオリティな作品を作り続けてきたからに他ならない。いかにして常に優秀な人材が集まるプロダクション I.Gは作られたのか。トップとして石川氏が魅力的な場を作るためにとってきた人材育成術とは──。

叱るコミュニケーションが大事
 

 まずは人ときちんと向き合うってことが何より大事です。やっぱりコミュニケーションが重要だと思うのですが、中でも叱るコミュニケーションが大事だと思います。やっぱり人って笑われて、叩かれて、叱られて育つんですよ。それでこそ経験っていうのが生かされるし、強くなるし、たくましくなると思います。

 だけどみんなそこで悩みますよね。笑われたから、叩かれたから、叱られたから嫌だって悩む。でもそれってみんな栄養になるんです。それを越えていった人間のところに人は集まってくるんですよ。その人自体がハブになるってことですね。それを経験しなかった人間の言葉は、いくらもっともらしいことを言ったって誰も信用しないですよ。

 叩かれたり、叱られたりしたことを乗り越えて、回りからも人が集まってくるようになってきた人間には、チャンスを与えます。経営者としてチャンスを与えるということは、その人を信用、信頼してるってこと。だからたとえ任せた相手が失敗しても責任は問わないし、全然問題ありません。任せた時点で責任は僕にあるので。任せるってことが大事なんです。失敗してからどうするかは、その時点で考えればいいだけなので。

成功体験じゃなければ意味がない
 

 ただ、任された人間は、チャンスを与えられたのに失敗するということは、目標を立てることを失敗したということです。だからその人の経験にはあまりならない。成功体験じゃないと経験として生かされないと思うんですね。

 とにかく成功=勝つ経験を重ねることが大事なんです。失敗=負ける経験はあまり役に立たないと思います。負けに得るものはないですね。負けた経験は先につながらないですよ。自分の経験値を上げるという意味で、大前提として勝負には勝たなきゃならない。とはいえ負けたらそこですべて終わりというわけじゃなくて、負けても次勝てばいい。通算成績は1勝2敗でも1勝1敗でも、とにかく勝つことが大事なんです。勝つ経験こそがその人の血肉になるし、次につながるんです。

最初のチャンスはつかみにいくべし
 

 僕は経営者としていろんな種を撒くのですが、もちろんその中の全部から芽が出てくるわけじゃない。でも出てきた芽に対してはまたチャンスを与えていくというやり方なんですよね。

 逆に出てこなかった芽に対しては、引き続き何かをしてあげるということはありません。一度チャンスを与えて一緒に仕事をして違うと思ったら、その人とはその先まず一緒に仕事をすることはないですね。チャンスは2度はないんですよ。

 もちろん仕事のクオリティもそうだけど、重視するのは仕事に取り組む姿勢です。もちろん、その人が1回ダメの烙印を押されても、そこから努力して這い上がってきてもう一回チャンスを下さいって言ってきたら、またあるかもしれないですけどね。でも基本的に本人が何もしないのに、こちらから与えることはありません。

 だからいつも言ってるのは、チャンスはみんなに平等に一度は与える、でも2度目からは自分でつかむんだと。最初のチャンスが来たら絶対つかめよ。絶対ノーって言うな。つかみにいけと。これはクリエイターに対しても社員に対してもみんな同じです。

厳しさは必要
 

 いい作品をつくるために、社員や外部スタッフに高い報酬を払うべきと思う人もいるかもしれないけど、必ずしもそうじゃないと思ってます。ほんとに不思議で、スタッフに高い報酬を払っても、必ずしも頑張っていい作品を作るってわけじゃないんですよ。逆にクリエイターはお金をたくさんもらったら安心して好きなことばっかりやっちゃうから、かえってダメ。だから甘やかすだけではダメなんです。人って負荷をかけないと頑張らないから。やっぱり負荷は必要ですね。

 常に自分の美学やこだわりを追求するような監督も、ストレスを乗り切って作った作品こそいい結果が出ます。全然ストレスがないってことは好きなようにしかやってない自主制作映画のようなもの。そんなものは商品じゃない。アルバイトしたお金で自分で好きなように作ればいいんです。でも作ったって結局は虚しいとわかるし、そんなものお客さんは喜んではくれないですよ。他人から預かった尊いお金だからこそ、ストレスがあるからこそ、お客さんに感動を与えられる作品が作れると思うんです。

 ただ結果を出した人にはそれなりの報酬は払いますよ。チャンスをものにしてヒット作を生み出して、年収が2倍にも3倍にも跳ね上がった人もいます。

 I.Gにはこういったおもしろさもあれば厳しさもある。そこを大事にしてるからI.Gはハッピーなんだと思います。だから僕のやり方を見て、自分もそこに賭けてみようと思う有能な人が、自然に集まってくるのではないでしょうか。

 こういうやり方をしているからこそ、出資する側のパートナーやクライアントも、「石川にだったら、出資してもクオリティの高い作品を作るために、きちんとお金を使うだろう」と信用してくれる。だから資金も自然に集まってくるんです。

プロダクションI.Gの制作現場。ここから数々の名作アニメーションが生まれている(写真提供:プロダクションI.G)

優秀な人材や資金が無理をしなくても自然と引き寄せられる──誰もがうらやむ夢のような会社を作り上げられたのも、少年時代に確立された「原点」をいまだに忘れないでいるからこそだった。

タイミングを逃さない
 

 こんな感じだから、これまで自分から何かを得ようとアプローチをしたことがあまりないんですよね。それは女性に対しても同じ(笑)。

 人を愛することは大事なんですが、愛情ってやっかいでね。自分の気持ちを相手に伝えようと思ったときに、人によってはその気持ちを少し寝かした方がいいってこともあるんです。何事もTPOですよ。自分の気持ちを全部伝えちゃったら、相手が避けちゃう場合もある。こっちがどんなに好きでも、相手がこちらのことを受け入れようとしてないときは、いくら言ってもダメなんですよ。相手が少しでもこちらの話を聞こうという姿勢や準備がないと、何を言っても無駄。僕は基本的に無駄な努力はしない。

 じゃあどうするかっていうと、「待つ」んです。相手を口説きたい言葉が100もあったとしても、ぐっとこらえて言わない。そういうときこそ自分の中に気持ちを溜めて熟成させます。ワインと同じようにね(笑)。

 その秘めた思いや情熱は、時が来るまで仕事に燃やす。それでいいんですよ。そうしていれば不思議と相手がこっちを向いてくれるような時が来るんです。その時にこそガッと獲りに行くんです。そのタイミングは逃がしちゃダメ。そういう勝負カンみたいなものも、自分がモテなかったから養われたんだと思います。自分が小さい、モテない人間だってことは身に染みて分かってますから。だからグっと堪えられるんです。

最初にあきらめる
 

 結婚もこんな感じでしたんです。すごくきれいな人だったんで、最初から好意を抱いていたんですが、2〜3年はアプローチするのを我慢しました。最初は身の丈で考えたら100%無理だと思ってましたから。だからまずあきらめるってことですね(笑)。絶対無理だと思って最初にあきらめてから、気持ちをぐっと寝かせるんです。でもその後別のことで頑張っていれば、等身大の自分で「いける」と思うときが来るんですよ。

 いけると思ったのは経験を積んだからじゃないですかね。いけると思ったからいったという、ただそれだけのことですよ。逆にいけないと思うんだったら、いってもダメ。まずうまくいかないですよ。それはビジネスでも同じ。勝てないと思ったらいかない。ここでも無駄な努力はしない。

 ただ、勝負に出られないときの悔しさは忘れない。バカにされたことなど、そういう悔しさをすごく大事にして、バネにして、絶対いつか勝つんだという思いを持ち続ける。それで思いを実現できたときや、相手を越えたと思ったら忘れる。まあ忘れるも何も気にならなくなりますけどね。追いかけてた自分がバカだったんだなって気がつきますから。

苦労をしないための努力は努力じゃない
 

 よくありがちなのが、みんながある方向へ行こうとしているときに、つい周りの雰囲気に流されて、自分も同じ方向へ行きたくなりますが、それをしちゃダメなんですよね。そんなときは自分をぐっと抑えて止まるんです。で、情勢を伺いつつ、頃あいを見計らって行くと半分の力でいけちゃったりするんです。無駄な苦労をしなくてすむ。やっぱりすべては無駄な努力をしないためなんですよね(笑)。

 もうひとつは欲をかかないってことです。目先の利益ばかりを追い求めるから失敗すると思うんです。そんなに欲をかかないで待っていればチャンスは向こうからやってきますから。なかなか難しいですけどね。

 利益追求、簡単に言えば「お金儲け」に走っていたら、今の自分やアイジーはないでしょうね。昔からお金を儲けたいという欲はないんですよね。今もないです。

 ただ、もちろん赤字になったり借金をするのは避けたいので、いかにそうしないようにするかに全神経を集中するんです。僕は苦労したくないんですよ! ほんとに根っこのところで苦労したくないから頑張る。僕にとっては苦労しないための努力は努力のうちに入らないんです。苦労してからの努力を100とすると、苦労しないための努力は1あれば十分です。今はなかなか苦労を超えられる時代じゃないと思いますしね。みんな苦労してから努力するから100倍たいへんなのであって、その前に1の努力をした方がいいと思います。その方が絶対楽ですから。だから僕は苦労をした記憶がないんですよね。

 将来が不安だと思ったら、不安にならないために今やるべきことを考えて行動していけばいい。そうすればいつの間にか不安は消えていると思いますよ。

「自分は小さい」という原点に常に戻る
 

 こんな感じで経営していると、「お金儲け」に走らなくても資金は十分に集まります。今は「身の丈」で必要だと思ったときに、必要な額がちゃんと得られています。それ以上ほしいとは思わない。常に十分得られてますからね。

 やっぱり自分が大きくなったと思ったらもうダメ。そこで終わりだと思ってます。だから常に少年時代に確立した「自分は小さい存在なんだ」という原点に戻るようにしているんです。どんなにうまくいってるときでも、自分を見失わないというのかな。

 だからこそいろんな人の力が必要だと思うんです。自分が小さい存在だから、いろんな点を補うためにもっと人が必要って思う。集まってくれた人にはもらうだけじゃなくて、与えられるものは与える。お互いの足りないところを補い合う補完の関係ですね。するといろんな人が自然と集まってきて、結果的にI.Gがハブになるんですね。

 

2005年12月、プロダクション I.Gはジャスダックに上場を達成。さらに会社としてひとつ高いステージに登った。着実に進化し続けるI.Gだが、指揮を執る石川氏はこれまで経営者に向いていると思ったことは一度もないという。

次回は石川氏にとって会社を経営するということ、作品をプロデュースするということに迫ります。乞う、ご期待!


 
2007.8.20リリース 1.普通が夢だった少年時代
2007.8.27リリース 2.悔しさから独立 世界のI.Gが産声を上げた
2007.9.3リリース 3.下請けからの脱皮を決意 アニメビジネスを変えた
2007.9.10リリース 4.経営者、プロデューサーとしての仕事の醍醐味
2007.9.17リリース 5.夢は他人のため 目標は自分のため

プロフィール

いしかわ・みつひさ

1958年東京都生まれ。アニメーション制作会社「タツノコ・プロダクション」で制作進行、プロデューサーを経て、1987年、フリープロデューサーとして独立。同年末、アニメーション制作会社・有限会社「アイジー・タツノコ」を設立、代表取締役社長に就任。2007年の今年で創立「20周年を迎える。

『機動警察パトレイバー』シリーズなどで着実に業界内外での足場を固めつつ、1993年社名を「プロダクション・アイジー」に変更。

以降、いち制作プロダクションとしては異例の作品への出資や、ファイナンス会社の設立、海外法人の設立、ハリウッドのメジャー映画会社との直接交渉など、業界の常識を打ち破る方策を次々と実施。下請けから元請、出資者側へとステップアップを果たすだけではなく、アニメーションビジネスのスキームそのものを変える。

制作会社としても『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』や『イノセンス』などハイクオリティな作品を次々とリリース、世界中から高い評価を得、世界的認知度が高い企業に成長させた。

2004年には「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」の日本代表に選出されるほか、東京大学の特任教授に就任。2005年にはジャスダックに上場を果たす。

2008年には押井守監督最新作『スカイ・クロラ』の公開が予定されている

【関係リンク】

■プロダクションI.G
■石川社長メッセージ
■石川光久の「だから、なんなんだ!? ええじゃないか!!」
■『スカイ・クロラ』

 
押井守監督の最新作『スカイ・クロラThe Sky Crawlers』2008年公開決定!
 
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
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プロダクションI.Gの石川社長が「新生I.G元年の作品」と位置付け、世界の押井守監督が「今を生きる若い人たちに向けて、伝えたいことがある」という真摯な思いから製作スタートした作品。2008年公開予定。お見逃しなく!

『スカイ・クロラ
The Sky Crawlers』公式サイト

日本テレビ、プロダクション I.G 提携作品
2008年公開決定
原作:森 博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ (中央公論新社刊)
監督:押井 守
脚本:伊藤ちひろ
音楽:川井憲次
制作:プロダクション I.G
配給:ワーナー・ブラザース映画
森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

 
 
おすすめ!
 
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日経BPのWebサイト上で「アニメビジネスを変えた男」と題して連載されていた石川社長インタビューシリーズに大幅加筆されて出版された一冊。石川氏本人に加え押井守監督や周辺人物の取材により、石川氏の人となりが多方面から丹念に描かれている。

 
 
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「自分は小さい」という原点に必ず帰る 「自分は小さい」という原点に必ず帰る
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