確かにたいへんだし面倒だけれども、しょうがないよ、それしかやりようがないんだから。最初から売り込みですって言わないで電話かけたら社長に怒られちゃうんだから。「ばかやろう、そんな姑息なこと言うな!」って。でも、たいしたもんだね、その社長は。自分でセールスの電話をするんじゃないんだよ。ただ見てて、文句言うだけなんだよ。でも、従わせる力があったよな。やっぱり、言ってることが正しいと思えるから。
そりゃ、電話をかけるたびに断られるわけだから、もう辞めたいと思ったことも一度や二度じゃなかったよ。でも、そこで辞めるのは癪だよな。結局、そこで辞めちゃうってのは負けを確定させちゃうってことなわけで。やっぱり断られるだけで負けたくない。やり続けていればチャンスはあるわけだから。
で、歯を食いしばりながら本気になってぶつかっていくと不思議とアポが取れる確率も上がっていくんだよ。最終的には、5、6%くらいになったかな。だから倍くらいにはなった。でもそのくらいだよ。2割にも3割にもなるなんてことはありえない。でもすごいよ。100本かけて6本アポイント取れたら。
これは不思議だね。「面白いこと言うなおまえ、じゃあ来いや」って言ってくれる会社もぽつぽつではあるけど増えてくわけだ。だから世の中そういうものなんだよ。やり続けていって、真正面からぶつかって行ってたら、相手に伝わることって何かあるんだよ。
で、会った相手は、最初から俺のことを売込みだと思ってるわけだろ。こっちも最初に言ってるんだから、思いっきり売り込みに行くわけだ。そうすると、お互い勘違いがないんだよ。さらに苦労して取ったアポは必ずモノにしようって自分で決めてくわけだから。事前準備も相当やるし気合いが違うから、アポが取れたものはだいたい契約できたな。
ところが今、山のようにかかってくる売込みの電話は、どれも売込みとは言わないんだよ。「御社のお役に立ちましょう」とかなんとか、もういらないってそんなの(笑)。「あんた売込みか?」って聞いたら、「いや、売込みではありません」っていうから、「じゃあなんだ?」って聞いたら、ああだこうだ言う。あれはきっとああいうトークの仕方を会社が教えてるんだろうな。それはカスだよ、絶対ダメ。やっぱり真正面からぶつかっていけって。どの道、どっかで売込みになるわけで。その瞬間に相手は冷めちゃうよな。よくある「当選おめでとうございます」っていきなり電話かけてくるのと同じだよ。話聞いてたら、ああだこうだ言って、結局ものを買わされる。あの手の姑息なこと。
やっぱりセールスの王道は「真正面から」なんだよ。姑息なことをやってなんとか入り込んでも、絶対にもめる。マズい出会いっていうのは、必ずもめるんだよ。これはもうほんとに鉄則。この会社には4年間いて、いろんなことを学んだけど、やっぱりそれが一番大きいかな。ほんとに、セールスの基本はこの会社で学んだね。
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