働く女性には、キャリアに2つの壁がある。
結婚と出産だ。
「寿退社せず、結婚してもそのまま働き続ける」は、この10年の間に「普通」のことになった。そして、「子どもを産んでも働き続けたい」も、女性の意識の中では少しずつ「普通」のことに変わりつつある。
しかし、子どもを産んでも働き続けるためには、女性自身が作戦を練り、壁を乗り越えなくてはならないのが現状だ。誰に預けるか問題。いつ産むか問題。そして、産んでも続けられる職場環境を手に入れる問題……。
「31歳、既婚、女性」。この条件だけで、転職活動をしてもかなりの会社からNOと言われるのではないかと思っていた大澤智美さん(仮名・31歳)は、「いつ産むか問題」がず〜っと頭の片隅にあった一人だ。
社会人になって9年目の今、資格スクールで教務の仕事をしている。講師のスケジュール管理や授業の準備、生徒への各種対応など、スクール運営の黒子役。でも、ここ数年、「もっと外に出て自分で商談を決めてくるような、そんな仕事がしてみたい」と思っていた。
そんな不完全燃焼感があったから、子ども欲しいと思いながらも、つくらずにいたのかもしれない。
ある日、転機が訪れた。
「会社が、合併されたんです。就業規則が変わって、労働時間が1時間長くなった。給料が変わらないのに、納得いかないなあと」
この、ちょっとの不満が背中を押した。
「よし、産む前に転職しちゃおう」
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