キャリア&転職研究室あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意第25回 自分らしさはいったん捨てる 変化を恐れず一歩踏み出せ!
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あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 あの本を書いたあの人が教えるキャリアの極意 Vol.25
自分らしく、働くために。仕事をおもしろくする方法
自分らしさはいったん捨てる 変化を恐れず一歩踏み出せ!
悩む事は得意でも、なかなか動けないでいる人たち。仕事に対する情熱やおもしろみを見つけられないまま、「こんなハズではなかった」と思うばかりの毎日を打破する方法は、ちょっとした「勇気」だったりするのだ。
S
佐藤 友美子氏
変わるということは
成長への第一歩
 
―― これまでのお話で、好きな仕事じゃないからつまらないというのは、単なる逃げだと思いました。これまで僕は仕事に対しても、自分自身に対して、ちゃんと向きあってこなかったような気がします。本気で自分を変えたくなってきました。
 
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S  

それが自覚できたことは大きな前進です。自ら変わるということは成長への第一歩です。変わるためには、今の自分にプラスアルファして太っていくっていうのではなくて、何かを捨てなきゃダメです。今持っているものをただひたすら守ろうとしがみついているのではなくてね。捨てる勇気はすごく大事。それは自分がステップを踏んで上がっていくための大切な一つのスキルみたいなものです。

 
―― 捨てる勇気ですか……。
 
S  

そう。例えばこれまでもっていた「自分らしさ」をいったん捨ててみる。これまで自分で自分を規定していた枠を壊してみるんです。するとまたいろんなものが見えてきて、これまで手をつけられなかったことにチャレンジできる。その結果、成長につながるんですね。

 
―― なるほど。佐藤さんから見て、成長できる人ってどんな人なんでしょうか?
 
S  

いわゆる「MAP」をしっかりもってる人ですね。

―― MAP? 地図ですか?
 
S  

いえいえ。そのMAPじゃなくて(笑)。「M」はモチベーション。仕事に対する意欲、動機づけですね。「絶対やってやる」という強い気持ち。志ともいえます。「A」はアドバンテージ。総務だったら、人の名前を覚えるのが得意とか、丁寧に仕事をこなせるとか。他の人にはない自分の優位性をもっているかどうかっていうのが大事。これがないと他の人に取って替わられちゃうから。でも最も大事なのは、「P=プラス」なんです。

―― プラスですか? 具体的には何に対するプラスなんでしょう?
 
S  

やっぱり人って、なにか自分にとってプラスになる人と仕事をしたいわけですよ。おいしい仕事は全部自分のものにしちゃって他人には何も与えない人や、全部自分がやったような顔をする人とは一緒に仕事をしたくないでしょう? 人のために何かをやってあげたり、いいポストをゆずってあげたりしてると、結局長い目で見ると自分に返ってくるということなんですよ。

―― ああ、なるほど。
 
S  

ね、なんとなくわかるでしょう? 仕事だって、ちゃんとやって、できたらそれに固執しない。手放すとそれよりもっとおもしろくてやりがいのある仕事がやってくるんですよ、不思議と。

大体利己的な上司で好かれている人はいない。それは先輩でも一緒。そこはすごく大事って思いますね。だからその「P」を時々自分で見直してみるのが大事ですね。

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「外」を変えるより
まず「内」を変えよう
 
―― なるほど。惰性の毎日から脱出したくて転職も考えていたんですが……。
S  

今の市川さんの場合は動かない方がいいと思いますよ。なにが問題なのか、その根本が分かってないとどこにいっても同じですからね。市川さんの場合、まず目の前の仕事に本気で取り組んでみるという課題ができましたよね。それをやった後でも遅くはないです。

―― 会社を変える前にやるべきことがあると。
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S  

確実にできることから一つひとつやっていくっていうことが大事ですね。転職に関して言えば、自分が変ることによって会社の器がちっちゃくなったと感じた時に考えればいいじゃないですか。もっとやりたい仕事、なりたい自分がでてきて、今の会社では実現できそうにないと思ったりしたときに真剣に考えればいいと思いますよ。

これまで取材してきた若いビジネスパーソンの中には、煮詰まっちゃっていきなり今までのキャリアに全然関係ない資格を取ってみたりする人、けっこういるんですよ。それで何かが変わるんじゃないかってね。でもね、そんなもので本質的な問題は何も解決しないんですよね。だからいきなりガラッと変えるんじゃなくて、少しずつ、目の前のことから変えていった方がいいと思います。

 
―― なるほど。できることからこつこつとって感じですね。今までの僕は悩んでばっかりだったからなあ。
 
S  

悩むこと自体は悪いことではありません。悩んだり苦しんだりするからこそ、未知の自分と出会えるんですから。大事なのはそこで止まっちゃいけない。そこで「自分探し」をしてもそこからはなにも出てこないってことですね。そもそも「仕事探し」は「自分探し」の過程にあるものではなく、確かな生活の一部なんですから。

―― まずは自分のできることから一歩一歩着実に。そして変化を恐れない勇気をもつ。なんとなく明日からの行動のキッカケがつかめそうな気がしてきました! 
 
S  

ぜひ「変化」への一歩を踏み出してください。仕事を好きになれば自分のことだって好きになれるはずですから。

 
講師:佐藤 友美子氏
サントリー次世代研究所部長

1975年立命館大学文学部を卒業、同年サントリー株式会社に入社。1989年サントリー不易流行研究所の設立メンバー、1998年3月より部長。サントリー不易流行研究所は2005年3月次世代研究所に名称変更。次世代が希望を持って幸せに生きていくための調査研究を行っている。

現在、国土交通省交通政策審議会委員、文部科学省中央教育審議会委員、国際日本文化研究センター客員教授など、各方面で活躍中だが、現在特に力を入れているのが若手起業支援の草分けNPO法人ETIC.とのコラボプロジェクト「Work-Life Innovators'」。「働くを取り戻せ」をスローガンに、若手起業家、社会人、学生が集まり、自分らしく豊かに働くために、新しい働き方を創っていくことに挑むプロジェクト。
佐藤氏のメッセージはこちら
・サントリー次世代研究所の「Work-Life Innovators'」に関するページはこちら

この本がおすすめ!
『偶キャリ。』(所由紀/経済界)
『U35世代 僕と仕事のビミョーな関係』
(サントリー次世代研究所/日本経済新聞社)
 
35歳以下のいわゆるサラリーマン18名を直撃インタビュー。仕事や生き方に対する考え方、その人各々の様々な悩みや漠然とした不安などがリアルな言葉でつづられている。ただ、この本の中には「アドバイス」や「指導」といったような説教臭さは全くない。もちろん答えもない。あくまで等身大にナマの声が淡々と連なっている。しか悩みながら、同時代を生きる同世代の、悩みながら、試行錯誤を繰り返しながら今日を働く人びとのナマの声を知ることは、明日への何かにつながるはずだ。ナマ共感できたり、あるいは疑問が更に生じるかもしれないが、いろんな意味で今の自分と向き合い、もう一度原点にかえって自分を見つめなおすことができる一冊。
生徒:市川健太
32歳。中堅会社の総務職。大学卒業後、第一志望だった会社に採用されず今の会社に就職。実家から通える範囲の会社に就職したため、一人暮らしの経験もない。今の仕事はスタートから妥協だった、という意識が強く、なんとなく続けてはいるけれど全くおもしろみを感じられない。このまま続けていいのかどうか、という漠然とした迷いはあるが、年齢的にヤバいのではないかと焦りつつも具体的にどう動いて良いかわからなくて悶々とした日々を送っている。
photo 佐藤友美子氏から学んだ胸に刻んでおきたい3つのこと
1
成長したければ変化を恐れるな
2
「自分探し」は意味がない
3
仕事が好きになれば自分のことも好きになれる
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構成/深田り由
写真/森山 活
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