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の中のの中のの中のお金の魅惑に、うっかり寄り道回り道 39歳、転職回数5回。失敗転職に決別!

転職体験レポート

掲載日2005/06/06

お金の魅惑に、うっかり寄り道回り道 39歳、転職回数5回。失敗転職に決別! | 中堅ビジネスパーソンの求人サイト人材バンクネット

木村憲正さん(仮名・39歳)のプロフィール
外資系ソフトメーカー→国内コンテンツサービス会社
国内電機メーカー3社、法律事務所、外資系メーカー2社にて、法務畑を歩む。IT関連の契約法務(知的財産ライセンス契約、秘密保持契約、販売契約)などを得意とする

転職回数5回のワケ
磨いた武器が評価され、年収1200万円のオファーが。でも……

学生時代は漠然と、海外営業として駐在員にでもなれたら……と思っていた。「法務部だって、海外とのやりとりは多いよ」と人事に説かれ配属になった法務部だったが、社会人になって半年で、「これを、ずっと極めていこう!」と定めた仕事になった。米国の弁護士資格取得のための留学、東南アジアの現地法律事務所で法律顧問など、常に新しい経験を追い求め、知識・スキル・経験に磨きを掛けてきた。国内電機メーカー2社、海外の法律事務所1社と、3社で経験を積んだ。

そのかいあって、「最後の転職にしよう」との覚悟で臨んだ35歳の転職活動では、大手企業を中心に7社から内定。東南アジア在住経験がすぐに生かせる日本有数の大手電器メーカーに転職した。海外にて会社立ち上げの法務責任者など、大きな仕事を任され前途洋々だったのだが、ヘッドハンターからの1本の電話で、新たな道を歩むことになったのだった。

国内大手電器メーカーでの年収は、750万円。不満はなかった。しかしヘッドハンターは言った。「あなたなら、1200万円は可能です」。驚いた。心が揺れた。外資系企業を見てみたいとの思いも手伝い、これまでとは業界が異なる外資系消費財メーカーの法務マネジャーとして思い切って転職したのが2年前。しかし……。

転職を考えた
高い年収より、自分を生かせる仕事がしたい

転職した外資系消費財メーカーでは、「ブランド管理など新たな仕事ができるのではないか」との当初の期待は見事に裏切られた。決定権を本社が握っている外資系企業では、日本の法務マネジャーが手掛ける仕事は限られていた。物足りなさを感じた。

そんなとき、またヘッドハンターからの1本の電話。「IT、電機業界に戻った方が、経験を生かせるのでは」と、外資系IT企業に転職。しかし、米国のコントロールがさらにきつい会社だった。定型的な契約書を、ちょこちょこっと直して右から左に流すだけ。仕事にクリエイティビティをまるで感じられない。

思えば、この2回、いわば受け身の転職だった。今度こそ、長く関われる会社を探したいと、3年ぶりに自分から、攻めの転職活動を開始した。

匿名スカウトを試してみた(合計22通)
「多くの求人を集めたい」と、人材紹介会社を活用した

「できるだけ多くの企業と面接して、自分を賭けられる会社を探したい」と、人材紹介会社を数多く回り、求人を集める作戦を取った。

【人材バンクネット】の匿名スカウトで、自分のキャリアを公開したところ、22社からスカウトメールが。9社に返信。メールで届く新着求人情報も常にチェックし、合計10社の人材紹介会社に面談に出掛けた。

企業に応募
面接で、理由を率直に伝えて、転職回数の多さを克服

3年で3回の転職、合計6社という経歴でも、まだ受け入れてくれる企業はあるのだろうか。転職市場の動向にも、ずいぶん疎くなっている。年齢も39歳――。不安要素はたくさんあったが、企業30社(うち人材バンク経由27社)に応募した。

大手電機メーカー3社、大手商社1社、外資系メーカー1社、伸び盛りの上場企業1社、中小の半導体メーカー、ソフトメーカー各1社の合計8社から面接に呼ばれた。

「立て続けに1年で会社を変わっているけれど、どうして?」と突っ込んだ質問もされたが、理由を率直に話したところ、けっこう納得してくれたようだった。

そして、3社から内定!

その3社は、国内大手電機メーカー、中小企業、伸び盛りの上場企業。面接の過程で「この会社に行きたい」との気持ちが固まっていた、伸び盛りの上場企業に入社を決めた。

匿名スカウトを終えて
「自分に武器が欲しい」から「経験をお返ししたい」へ 周りの人に喜んでもらうために、働きたい

今回の転職で、年収を1400万円から1000万円に下げた。「仕事のやりがい」をなによりも優先するために、自分で「下がってもいい」と決めたのだ。

失敗転職しないために、面接で、企業を見極めるための質問もたくさんした。「会社として私に期待していることは何か」「何をすれば評価されるのか」「上司にあたる人とは、仕事をどう分担していくことになるのか」など、入社後の仕事内容――「自分がなすべき仕事は何で、権限が何か」を徹底的に聞いた上で、判断をした。

もう39歳。仕事人生の折り返し地点の年齢だ。これまでは、新しいスキル、知識、経験を身につけることを優先してきた。もちろん、仕事を通じて会社に貢献してきたつもりだが、「武器になるものが欲しい」と、いわば自分のために働いてきた側面も多かったように思う。でも今後は、これまでにいろんな会社でさせてもらったいろんな経験を「お返し」していきたい。自分が裁量権をもって成果を上げることで、会社の利益を高め、職場の一人ひとりに喜んでもらえる仕事をしたい。そのためにふさわしい舞台を見つけた転職活動だった。

転職をサポートしたコンサルタントより

株式会社サンブリッジ ヒューメトリクス
木崎秀明氏

IT業界、コンサルティング業界専門の人材紹介会社。母体がインキュベーション会社なので、独自の求人情報も多数抱えている。「転職希望者が何をしたいのか、これからどうなりたいのか」を何より大切にしたコンサルティングには定評がある。

内定後に「ひっかかる点」があるなら、遠慮せずに相談を

法務の求人は、年間を通じていつも人を探しているのではなく、担当者の退職など欠員補充として出てくることが多いんです。今回は、企業から「法務マネジャーを募集したい」との話が来たので、匿名スカウトに登録している人の中から候補者を探し、木村さんにスカウトメールを打ちました。 木村さんのキャリアシートは要点が箇条書きになっていたので、「何ができて何が得意なのか」がぱっと把握できました。確かに、転職回数の多さ――ここ3年、毎年会社を変わっていることは気になりましたが、米国の弁護士資格を持っている、外国語2カ国語が堪能などを考えると「これだけ熱心に勉強してきた人なんだから、最近の頻繁な転職には何か理由があるのだろう」と思いました。面談で退職理由や今回の転職の目的を伺い、「こういう理由なら企業も納得してくれるだろう」と思い、紹介しました。 転職回数が多くても、「こんな目的で転職したけれど、こんな理由で辞めた」をしっかり話すことができれば、納得してくれる企業は確実にあるのです。これまでのキャリアの軌跡に自分なりの筋道が通っているなら、なんとかなるものです。 失敗転職を未然に防ぐためには、内定後の不安をキャリアコンサルタントに率直に伝えることも大切です。「懸念点がある」と求職者からの訴えがあった場合、内定の返事をする前に、上司や同僚になる人とざっくばらんに話ができる場をセッティングし、納得のいくまで話をしてもらうようにしています。その上で、内定を断わってもいいんです。納得の転職を実現するために、ぜひ遠慮せず、キャリアコンサルタントを活用してみてください。