経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・11/12
株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
D支店は、業績は良くありませんが、支店内の人間関係は良好で、良い雰囲気で仕事をしているという様子です。いいかえればぬるま湯状態ともいえます。それは、ほぼ全員の距離が近く、かつ低有能感、低成熟度であることから容易に伺えます。仕事への厳しさというよりも、サークルのようなノリなのです。
問題解決の方向性は明確です。今よりも高有能感・高成熟度の支店長と社員をこの支店に配置することです。d支店長はまだ若いので、大型支店の副支店長(降格ではありません)として、異動しました。そして、他の支店から支店長と社員一人を向かえ、人材配置のバランスを良くしました。これらの施策は、今年の4月1日の人事異動で実施されており、各支店とも大体3ヶ月目頃から大きく問題は改善され成果が出て来ています。
このように、リプレースメントは現存する実在社員の中で、最適再配置を模索するわけですから、さしたるコスト増にもならない現実的な方法です。それでいて、即効的でその効果も大きいというメリットがあります(絶対人員数が少なかったり、職種が非常に多い場合は、現実的な異動や組み合わせに制約があります)。リプレースメントでは、このような「有能感」と「成熟度」の距離から人材の配置バランスを見るとともに、人材のタイプに応じて、同質タイプ、異質タイプを適切に組み合わせ、機能の補完・強化という観点も加味していきます。