経営ソリューションツールとしての「人材モデル」・9/12
株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
では、いま解説をした内容に基づいて、実際の例について見て行きましょう。この企業の例は、国内に50程の支社を持ち、製造から販売までを一貫して行っている食品会社のケースです。組織上の問題は、支店ごとにかなりモラール・モチベーションに差があり、これが業績の差の原因ではないかとのことでした。
この企業は、経営理念も明確で、商品力とブランド力も強く、マネジメントのシステム化も業界水準を遥かに越えるレベルになっております。ただ、支店の規模(業容・人員数)の差は、エリアによってかなりあります。そして、今回業績に影響を与えてるのが、社員のモラールやモチベーションであるとするならば、その差は支店長のマネジメント力にあるのではないかとの、仮説が立てられたのです。
では[図7]をご覧ください。これは、この企業でも最も大規模ながら好業績な支店です。a支店長から、e〜l 社員(他に約100人弱のアルバイトがいます)が、右上から左下へとてもよいバランスで配置されています。このような人材配置ですと、指示伝達がスムーズで、職務や組織に対する意識のギャップを上手く吸収することができます。またこの支店長は、情緒的な配慮をもって組織を維持するタイプではなく、システムを通して、組織を上手くマネジメントしています。