経営政策と連動した人材マネジメントのポイント・3/3
株式会社クイック ヒューマンキャピタル総合研究所
最後に、このような人材を活用し、事業の成果をあげる方法について考えてみる必要性が残っています。なぜなら、ここで人材の思考・行動というアウトプットがイコール成果というわけではないからです。
人材の思考、特に行動が発揮される方向性を規定するのが戦略です。つまり、戦略を構成する機能は、時間軸で捕らえればビジネスプロセスであるとともに、空間軸で表現されたものが組織です。そして、個々人の見極められた能力に応じてこの機能を適切に分担し、人材から期待される行動を引き出すまでが経営(=経営者&管理者)の使命なのではないでしょうか。経営者と管理者は、人材の個別的特性(個性)と能力についての知見を高めることで、戦略や組織の遂行に、これら人材を活かしきることができるようになると考えられます。
人材マネジメントというと、上司は鬼が良いのか仏が良いのかというようなベストセラー本のような議論や、何でもやる気で達成できるというような精神論に走りがちですが、本質は洗練されたテクノロジーです。正しい知識を習得し、実践できるようにスキルを高めたうえに、組織的なシステムを整備すれば、その企業と人材のパワーを極めて高くすることができるでしょう。実践に必要な具体的なお話は、今後機会を設け、ご紹介させていただきたいと思います。