正しいコンサルタントの選び方

思志実発(思考、志向、実行、発功

経営コンサルタント 佐藤 修一

お久しぶりです。お元気ですか? この連載の依頼をはじめにいただいたのは2006年7月でした。12回目は、2007年5月末でしたので、連載開始から3年、第12回目からは2年の歳月が過ぎました。お読みいただいていた人事の方、または求職者の方にも変化が見られると思います。すなわち人事異動で職場が変わられた方、めでたく天職(転職)された方もいらっしゃることでしょう。私もしばらく、お休みをいただいていた間、様々な変化がありました。

ご承知のように、私は経営コンサルタントとして、経営学、心理学の研究を通し、実践活動を続けてきました。特に、企業で働いている社員のための人事制度、能力開発等の入社から退社までの支援、退社後の天職(転職)、再就職についての支援を通して、人材マネジメントサイクルを展開してきました。ここで“社員のための”としたのは、社員が生きがい、やりがいを持って働くことにより、生産性が向上し、ひいては企業の業績向上につながると考えるからです。さて、学校を卒業し、その後はと考えると、やはりキャリアという言葉が浮かんできます。キャリアについては、この連載の第2回目(本当にあった「うれしい!」話し)でご紹介いたしました。このキャリアに関して、私が学校を卒業した頃から、こういうことが、実現、把握できたらいいなあと常日頃から思っていたことがありました。特に学生にとって、学生から社会人になる節目・移行期(トランジション)は、言うまでもなく人生にとっての一大事です。すなわち、社会人になり、結婚をし、家族生活を営み、人生を終えるというライフサイクルをたどる為の一大事です。まず、働くための企業を探し、就職することからはじまります。経験上、友人、知人や就職課の先生からの紹介により、企業訪問をし、面接をし、就職します。勧められるままに、企業を訪問するのですが、特に今の環境では、何社も訪問して、就職されるのが常といえます。その前に自分が希望(入社)したい企業はどのくらい合格可能性があるのかを確認することができれば、時間と労力が短縮され、何よりもこんなに心強いことはありません。また企業にとっても、はじめから、かなりピッタリとした求職者と面接することが可能となるでしょう。

面接の前に自分の合格可能性と入社のための啓発目標が確認できたらなあ!
この常日頃から、思っていた『企業別合格可能性診断(GO診)』の開発に成功したことをご紹介します。きっかけは、ある企業の社長とお会いしたことです。社長は「何万人に一人という確率で君と巡り合った。この出会いを大切にしよう」と言われました。私が、考えたいきさつや、診断システムの内容をお伝えすると、通常はなかなか結論が出ず、前向きに検討するということになり、消えてしまうことが多いのですが、この社長からは「費用、その他のことは一切考えず、開発のことだけに専念したらどうだ」というお話をいただきました。シンクタンク出身の私にとって、開発冥利につき、同時に、民間ハローワークを目指すという社長のお考えに共鳴したことも開発を実践した理由となりました。いままで、数多くの社長とお会いさせていただきましたが、このような高い志とそれを実現する意欲を持たれた社長とお会いできたのは私にとって最高の機会が訪れたことを感じました。開発中もご指導、励ましをいただき無事完成いたしました。さらに、企業別合格可能性診断(GO診)、特許出願中(特願2009-158190)もいただきました。この出願は、就職時の学生はもちろんのこと、天職(転職)時の企業人も対象として包括しております。したがって、学生にも、企業人にも適用が可能な内容になっております。

『企業別合格可能性診断(GO診)』の内容を説明いたします。私の思いと、多くの企業からの仕事(学生は社会人基礎力)経験のみのマッチングでは、面接の折、想像していた人材との相違があるという声を受け、求職者のキャリアスペック(仕事経験)はもとより、パーソナリティー(人柄)並びに企業の文化・風土とのマッチングをも診断できることに成功した、画期的なシステムの開発にいたりました。人材の評価は、大きく3つの評価軸から考えられます。それは、1.EQ(感情の知能指数)2.仕事経験 3.IQ(知能指数)です。中でも、EQはIQよりも重要であり、EQの欠如は仕事での失敗と大いに関係しています。また、将来性は、成果・上昇志向、学習能力、変革思考力から評価されます。このような考えのもとにGO診は設計されており、企業は求職者の絞り込み、面接等の労力、時間が短縮でき、ベストな人材の採用が可能になるという画期的な内容となっております。求職者は診断結果から合格可能性が把握され、啓発目標が確認でき、ご自身の就職、天職(転職)、キャリアプランの再構築等の指針になると思われます。また、人材紹介会社にとっては、より的確な人材を紹介することが可能となります。今後、新聞を始めとする各報道関係からご覧になられると思いますが、是非、活用していただければと思います。

大げさかもしれませんが、これから新しい時代が訪れます。

人は仕事があってこそ
初めて充実した人生を送ることができると思います。

まして一生を通じての“天職”ともいえる仕事を持つことが、
いかにその人の人生を豊かにするか、
それは全ての人が願っていることです。

一人でも多くの方に、仕事選びのチャンスを提供し
“天職”をみつけてほしい、そんな願いを込めて……。

(社長の言葉より)

というわけで、今回から、また連載を始めさせていただきたいと思います。
改めましてどうぞよろしくお願いいたします。

佐藤 修一(さとう しゅういち)/経営コンサルタント・シニアカウンセラー

住友ビジネスコンサルティング(現 日本総合研究所)にて人事戦略コンサルティングに従事。経営人事に注視し組織欲求と個人欲求の統合を目指す。
※組織変革、人事労務管理、トータル人事システムの構築、能力開発等。
[ アウトプレースメント会社 ]人事コンサルティング事業の構築、求職へのキャリアマッチング、社内カウンセラーの能力開発、スーパーバイザーを担当/
[ 行政機関・大学 ]キャリアカウンセリング、キャリアデザイン、キャリアディベロップメントの講義

[ 資格 ]経営士、経営情報診断士、帳票管理士、監督士、シニアカウンセラー、販売士養成講師、 余暇生活開発士、余暇生活相談員、心理相談員、東京都中高年齢者福祉推進員、東京都アドバイザリースタッフ等
[ 大学/学会等 ]中小企業大学校、千葉工業大学、千葉商科大学、上武大学各講師 国際TA (交流分析)協会名誉会員、日本産業精神保健学会 認定専門職
  • 探究心旺盛なことから、日本でただ一人いる、フロイトの孫弟子に師事し臨床経験からカウンセリング、カルテ、薬等様々に学ぶ
  • 官公庁及び電力会社など公的企業、大手企業を中心にコンサルテーションを実施する
2009.7.15 update

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